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[コラム] セウォル号の政局、政府が葛藤を助長してはならない


セウォル号惨事から1年が経とうとする時期に、遺族が光化門(クァンファムン)広場で再び風餐露宿(ふうさんろしゅく)を始めた。海洋水産部が急いで立法予告したセウォル号特別法施行令(案)が被害者と家族を再び路上に呼び出したのだ。

施行令案が発表された後、遺族だけでなく、セウォル号特別調査委員会(以下、特調委)の委員も施行令案撤回を要求し、セウォル号1周期を控えて、政局は葛藤の沼にはまった形となった。

特別法施行令案は、一般市民から見ても「施行令が法より先に立つ越権」として見えるのに十分だ。真相調査を指揮する企画調整室長と中核業務を担当する調査1課長を一般職公務員に任せ、調査領域も政府の調査結果の分析と調査に限定した。

特に特別法上、事務局長を与党の推薦委員のものとして残した状況で、調査権限を公務員が掌握すれば、特調委の独立性は損なわれるしかない。真相調査の核心である惨事が発生した原因と救助、収拾過程での政府の対応を公務員に任せようということは、囚人に監獄の鍵を差し出すことと変わらない。ここまで来れば、「聖域なき調査をする」という朴槿恵(パク・クネ)大統領の約束は既に消えたようなものだ。

政府はまた、特調委の人員を法が定めた120人よりもはるかに少ない90人に縮小、特調委の活動を無力化させようとする意図をうかがわせている。さらに、一般的に20日​​以上だった施行令案の立法予告期間も10日へと短縮して、立法予告期間中にセウォル号事故の犠牲者に対する賠償・補償額を発表して遺族を怒らせた。

政府と与党は、これまで、特調委の活動を支援どこ​​ろか事あるごとに邪魔してきた。特別委員会からとうに送られていた施行令案に反論もしなかったのに、一方的に政府の権限だけいっぱいに育てた施行令案を発表した行為は、誰が見ても、政府が前面に立って葛藤を助長しているものとして映るほかない。

政府と与党は、長期の座り込みをしている遺族の声を無視している。セウォル号1周期の4月16日に遺族が参加する公式追慕祭とは別に、江南のCOEXで「国民安全誓い大会」を開くという日程も作っている。

国民の生命と安全に責任を負うべき政府は、冷たい海に落ちた学生をただの1人も生かすことができなかった。黙々と非難を甘受しなければならない政府が、対立を助長することの先頭に立つという印象を与えては困る。韓国社会がセウォル号の痛みを乗り越えて前進するためには、自らの過ちを認める責任と勇気が必要だ。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2015-04-05 09:00:00




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