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[社説] 成完鍾リストは一点の疑惑なく明らかにするべき


朴槿惠(パク・クネ)大統領は、大々的な司正が行われることを予告した。京南企業の成完鍾(ソン・ワンジョン)会長が自殺しながら発見されたリストが公開された後、公式会議で朴大統領は「過去から現在まで、問題のある部分は、政治改革の次元から完全に明らかにする必要がある」と述べた。

去る12日、青瓦台の報道官を通じて、側近だとしても許さないという腐敗清算発言の延長線ではあるが、政界では、これを現在の政局の危機を大々的な司正で突破するという意味として受け入れている。

朴大統領は「最近、ある極端な問題が発生して残念だ」と、ソン・ワンジョン会長の死を取り上げた後、「かといって、この問題をなかったことにすることはできない」とし、ソン元会長の自殺とは関係なく、資源外交不正疑惑などの捜査を続けるという意志を披瀝した。

不正と非理に染まって、国民の信頼が地に落ちた政界に対する大々的な手術が避けられないということに対して異見はない。防衛産業と資源開発などの国の存亡がかかった事業で不正を犯したなら、これを撲滅しなければならないのも当然だ。過去の過ちを悟って痛切な反省をしなければ、前へ進むことは不可能だからだ。

同じ脈絡から、セウォル号惨事に対する現政府の態度も問わざるを得ない。朴大統領は南米歴訪に先立ち、彭木港を訪れ、セウォル号の犠牲者を弔問したが、現在問題となっている「セウォル号特別法施行令」に対しては何の言及もしなかった。同じ惨事が繰り返されないようにするという特別法の精神を正面から違背する施行令を貫徹させようとするのが現政府の態度であれば、大統領が強調した「大々的な司正」からは空虚な響きだけが感じられる。

ソン・ワンジョン会長のリストに書かれた名前の中には、前・現職の大統領秘書室長の名前が含まれている。長い南米歴訪に旅立ち、国政を担う李完九(イ・ワング)総理は政権を握っている与党からでさえ辞退論が提起された状況にあって、総理の進退についても側近に対する遺憾の表明もなかった。

このような中で、大統領が明らかにした大々的な司正が誰に向かっていくか心配だ。ソン元会長のリストに書かれた政治家が生きている権力の中核であるため、検察がしっかりと捜査することができるのか疑わしい中で、大統領の意中が過去の政府人事に対する司正として映るのではないか心配になったりもする。

すでに「ソン・ワンジョンのリスト」を捜査する特別捜査チームに対する心配の声が出てきて、与党側でも特別検査の話が出てきていることを周知しなければならない。検察は、検察総長の指揮の下に、10人余りの検事で特別捜査チームを構成したが、国民の信頼を得るには力不足だ。駐韓米国大使が襲撃された時、すぐに検査13人を動員して捜査に乗り出した事実を国民が記憶していることを覚えておかなければならない。

大統領の意志通り、腐敗した政治に対する大々的な司正作業が行われるためには、まずソン・ワンジョン元会長が死によって残したリストについて、一点の疑惑なく明らかにするのが順序だ。

セウォル号特別法施行令が問題になった最も大きな理由は、調査対象が調査に参加する主役として浮上しているということにある。同様に「ソン・ワンジョンのリスト」の捜査にあり、捜査対象である権力核心が検察捜査に少しでも関与している事実が明らかになれば、検察は「権力の侍女」という汚名をついに取り除くことができないだろう。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2015-04-17 18:00:00




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