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[社説] 「お姉さん、私が憎いでしょう」 でお金を稼ぐな


  • [社説] 「お姉さん、私が憎いでしょう」 でお金を稼ぐな
ガールグループJEWELRY(ジュエリー)の元メンバー歌手キム・イェウォンは「お姉さん、私が憎いでしょう」という一言で、全国民に嫌われる境遇になった。これに加えて、同じ所属事務所(スター帝国)の仲間の歌手、グァンヒにも火の粉が飛び、まさに八方塞がりになった状態だ。

MBC『私たち結婚しました(ウギョル)』の視聴者掲示板には、まだイェウォンが気に入らず、早急な降板を要求する書き込みが続いている。降板を要求する理由は簡単だ。人性に問題があるというのだ。暴言の当事者であるイ・テイムがこの事件について謝罪をして、すべての番組から自ら降板したのだから、イェウォンも同じ行動を取るのが正しいという論理だ。

人性に対する是非は所属事務所にまで広り、「イェウォンを放置する所属事務所に籍を置いているグァンヒの人性も同じようなものだろう」という極端な主張をしながら、「グァンヒの『無限に挑戦』シックスマン反対署名」運動が行われている。さらに、イェウォンの降板について、ネットユーザー315人を対象にアンケート調査を実施して、これを発表したインターネットメディアもある。ここに加えてチキン、ピザ会社は広告文句にまで使用している。パロディの素材として使用する放送番組もすでに複数出てきた状態だ。

2人の女性芸能人の間で起こった言い争いだとはいえ、イェウォンが視聴者から冷たい視線を受けるだけの行動をしたことは明らかな事実だ。ネットユーザーが怒りをぶちまけることも納得するに値する。大衆の人気で暮らす芸能人なのだから、世間の非難も甘受しなければならない。

しかし、マスコミや同僚芸能人らが彼女を犠牲にして話題を引き付けようとするのでは困ってしまう。同じ芸能界に従事している人であれば、少なくとも沈黙する配慮くらいは見せるべきだ。年齢や職業、学歴、性別区分もなく実施した世論調査の結果を発表するマスコミの行動からは無責任さがにじみ出る。

放送出演を反対する非難にも関わらず、イェウォンがウギョルに出演し続けている事情は当事者だけが知っていることだろう。巷間の推測のように、この番組から降板する場合、ややもすると芸能界を離れなければならない可能性についての心配のせいかもしれない。芸能人としての真の姿を見せようとする身もだえのように映る気もする。

製作陣がイェウォンを背負って行くことも、その理由が気になるのは同じだ。麻薬や窃盗、ひき逃げ事故、不倫など、社会的に容認されていない犯罪ではなく、先輩芸能人との摩擦を理由に、すでにスケジュールが決定した芸能人を追い出す名分を作ることは難しいかもしれない。すでに契約を完了した状態であれば、人性が契約破棄の条件としては不十分だという点でも納得がいく。

芸能人は一挙手一投足を監視される、不便な暮らしをしている。韓流ブームを巻き起こしたMBCドラマ『大長今(宮廷女官チャングムの誓い)』に出演したホン・リナ(チェ・グミョン役)は、ドラマの放映終了後、チェ尚宮の役を引き受けていたキョン・ミリと一緒に行動すると「あの悪い人間たちが群れをなしている」という悪口を言われそうで、一緒に行動しないという冗談を言ったことがある。ステージ上での彼らの生活は実生活へ、生活の断面が撮影現場につながることが芸能人の宿命でもある。

そうだとしても、既に放送が始まったのだから、途中で降板を要求する代わりに、イェウォンが最後まで憎いなら放送を見なければいいのだ。ウギョルの視聴率は3%に急落し、土曜日に放映されるバラエティ番組の中で視聴率の順位は18位にまで落ちた状態だ。視聴率がここでさらに落ち、その決定的な理由がイェウォンなら、MBCは視聴者の要求がなくてもイェウォンの降板について悩まざるを得ない。
  • O2CNI_Lim, Chul/写真=MBN
  • 入力 2015-05-03 22:00:00




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