トップ > コラム > オピニオン > [SNSの世界] 病気の怪談を育てたSNSの「エコー・チャンバー」
9歳小学生の子供を持つ主婦パン・ジョンミンさん（38）は、中東呼吸器症候群（MERS / マーズ）の影響で、忠清北道・提川市のリゾートに「避身」した。2人目を妊娠しているうえ、子供の休校が長くなったため、リゾート休養を選んだわけだ。パンさんの決定に影響を与えたのは、ソーシャルネットワークサービス（SNS）だった。ソウル市・瑞草洞に住んでいるパンさんのフェイスブックに多数の江南ママたちがマーズの死亡者と感染者、マーズが非対面接触で伝播されているなど、恐ろしい情報を引き続き投稿したためだ。
韓国政府がマーズ拡散に伴う初動対応に失敗しながら、市民は従来のメディアよりもフェイスブック、ツイッター、カカオトークなどSNSとメッセンジャーで飛び回っている情報により早く接するようになった。このようにSNSで飛び回っている情報の中には、一部ファクト（事実）もあるが、「怪談」レベルの確認されていない情報もあふれているのが事実だ。国家的な危機状況で、なぜ「怪談」が飛び回っているのだろうか。オーストラリアの大学の研究者が、このような病気に関する情報は否定的なメッセージが、より簡単に伝播されるという事実を確認して注目されている。
オーストラリア・マッコーリー大学のヘルスイノベーション（Health Innovation）財団が11日（現地時間）に発表した論文によると、ツイッターに上がっ てきた「ヒトパピローマウイルス（HPV）」関連の内容を分析した結果、24％だけが治療に助けを与える内容で、ほとんどは確認されていない否定的な「意見」が投稿されていたことが分かった。研究者は、健康情報がどれほどSNSで流通しているのかを調べるため、6か月間ツイッターに投稿された「HPV関連の内容」を分析した。HPVは、子宮頸がんの重要な原因因子として知られているDNAウイルスだ。
3万621人が95万7865のソーシャルに繋がっている状態で、ツイッターに投稿されたHPV関連の8万3551個のツイートを分析したところ、80％が記事やブログ、公共機関のウェブページ、そして友人がレビューした記事をリンクしていた。治療に大きく助けにならない否定的な内容が多数であり、ツイッター利用者はこのような否定的な情報に敏感に反応して、これを簡単に共有した。この研究を主導したアダム・ダン（Adam Dunn）博士は、「SNSで繋がっている似た者同士で意見を交換しながら、正確な情報は見当たらず、偏った情報のみを基に判断し、誤った意見を持つことになる」と分析した。
実際、ツイッター、フェイスブック、カカオトークなどで繋がっている友人は、政治的性向や好み、地域、学校などが似ている可能性が高い。対面の出会いによるソーシャルネットワークより、デジタルソーシャルネットワークは政治的性向や好みが異えば、いつでも「友達切断（Unfollow）」が可能だからだ。
利用者がツイッター、フェイスブック、カカオトークで見るリンクや「いいね」、コメントなどは、まるで全体の「世論（Public Opinion）」のように見えるが、事実は、一方に偏向した「仲間同士の意見」である可能性が高い。このような現象を「反響室効果（エコー・チャンバー効果（Echo chamber effect）」という。反響室とは、壁を作って音が広がらずに戻ってくるように作られた部屋だ。やまびこ（エコー）が外に出ないで部屋の中でのみを歩き回るということだ。社会学では反響室内の音響のように、ソーシャルネットワークの中で情報やアイデアが回り回って強化される現象のことを指す。
利用者は、自分が反響室に閉じ込められているという事実を認識していないため、マーズのような敏感な事態に従来のメディアで報道されているファクト（事実）や、政府や信頼できる医療機関が知らせてくれる一歩遅れた情報より、いわゆる「○○が○○と言っていた」によって急速に広がる意見をより信頼するようになる。
これを「フィルターバブル（Filter Bubble）」とも呼ぶ。人々はフェイスブック、ツイッター、ネイバーなどで提供される情報に依存しているため、ますます彼らがろ過（フィルター）した情報に閉じ込められる現象だ。ソーシャル分析会社のランクウェーブ（rankwaver）のシム・ソンファ代表は、「マーズ怪談の流布者を処罰するという脅しよりは、政府や医療機関は、正確な情報を迅速かつ正確に、透明に伝達できるよう努力をする必要がある」と話した。
[SNSの世界] 病気の怪談を育てたSNSの「エコー・チャンバー」
![[SNSの世界] 病気の怪談を育てたSNSの「エコー・チャンバー」](https://cdn.mottokorea.com/mottokorea/userfiles/2015/06/image_readtop_2015_566319_14340925471977000.jpg)
韓国政府がマーズ拡散に伴う初動対応に失敗しながら、市民は従来のメディアよりもフェイスブック、ツイッター、カカオトークなどSNSとメッセンジャーで飛び回っている情報により早く接するようになった。このようにSNSで飛び回っている情報の中には、一部ファクト（事実）もあるが、「怪談」レベルの確認されていない情報もあふれているのが事実だ。国家的な危機状況で、なぜ「怪談」が飛び回っているのだろうか。オーストラリアの大学の研究者が、このような病気に関する情報は否定的なメッセージが、より簡単に伝播されるという事実を確認して注目されている。
オーストラリア・マッコーリー大学のヘルスイノベーション（Health Innovation）財団が11日（現地時間）に発表した論文によると、ツイッターに上がっ てきた「ヒトパピローマウイルス（HPV）」関連の内容を分析した結果、24％だけが治療に助けを与える内容で、ほとんどは確認されていない否定的な「意見」が投稿されていたことが分かった。研究者は、健康情報がどれほどSNSで流通しているのかを調べるため、6か月間ツイッターに投稿された「HPV関連の内容」を分析した。HPVは、子宮頸がんの重要な原因因子として知られているDNAウイルスだ。
3万621人が95万7865のソーシャルに繋がっている状態で、ツイッターに投稿されたHPV関連の8万3551個のツイートを分析したところ、80％が記事やブログ、公共機関のウェブページ、そして友人がレビューした記事をリンクしていた。治療に大きく助けにならない否定的な内容が多数であり、ツイッター利用者はこのような否定的な情報に敏感に反応して、これを簡単に共有した。この研究を主導したアダム・ダン（Adam Dunn）博士は、「SNSで繋がっている似た者同士で意見を交換しながら、正確な情報は見当たらず、偏った情報のみを基に判断し、誤った意見を持つことになる」と分析した。
実際、ツイッター、フェイスブック、カカオトークなどで繋がっている友人は、政治的性向や好み、地域、学校などが似ている可能性が高い。対面の出会いによるソーシャルネットワークより、デジタルソーシャルネットワークは政治的性向や好みが異えば、いつでも「友達切断（Unfollow）」が可能だからだ。
利用者がツイッター、フェイスブック、カカオトークで見るリンクや「いいね」、コメントなどは、まるで全体の「世論（Public Opinion）」のように見えるが、事実は、一方に偏向した「仲間同士の意見」である可能性が高い。このような現象を「反響室効果（エコー・チャンバー効果（Echo chamber effect）」という。反響室とは、壁を作って音が広がらずに戻ってくるように作られた部屋だ。やまびこ（エコー）が外に出ないで部屋の中でのみを歩き回るということだ。社会学では反響室内の音響のように、ソーシャルネットワークの中で情報やアイデアが回り回って強化される現象のことを指す。
利用者は、自分が反響室に閉じ込められているという事実を認識していないため、マーズのような敏感な事態に従来のメディアで報道されているファクト（事実）や、政府や信頼できる医療機関が知らせてくれる一歩遅れた情報より、いわゆる「○○が○○と言っていた」によって急速に広がる意見をより信頼するようになる。
これを「フィルターバブル（Filter Bubble）」とも呼ぶ。人々はフェイスブック、ツイッター、ネイバーなどで提供される情報に依存しているため、ますます彼らがろ過（フィルター）した情報に閉じ込められる現象だ。ソーシャル分析会社のランクウェーブ（rankwaver）のシム・ソンファ代表は、「マーズ怪談の流布者を処罰するという脅しよりは、政府や医療機関は、正確な情報を迅速かつ正確に、透明に伝達できるよう努力をする必要がある」と話した。
- 毎日経済_ソン・ジェグォン記者 | (C) mk.co.kr
- 入力 2015-06-12 16:02:27
