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[世智園] 干ばつにすくい上げる貯水池


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干ばつにより、韓国全国の貯水池1万7400個のうち、無数の貯水池が底を露わにした。目の前の水不足を解消することも急務だが、一方では危機をチャンスとして活用しなければならない。全国の貯水池にフォーククレーンを送ることだ。水中で土を掘り起こせば、それこそ泥沼になる。水質の悪化も避けられない。底が露わになった貯水池では、そのような心配をせずに、20%の予算だけで土を掘りだすことができる。貯水率が30%を下回ると、土の掘り起こしに適した状態になるのだが、今がまさにそのような時期だ。

農漁村管理公社が大型の貯水池3377個を管理して、残りの小型貯水池は地方自治団体が管理する。例年は浚渫する貯水池が100個未満だったが、今年は706個を浚渫する。それだけ干ばつがひどいという意味だ。これらの貯水池で土砂415万立方メートルを掘り出す。

農漁村管理公社が管理する大規模な貯水池6個が新たに生まれる効果を得ることができる。土を掘る予算に420億ウォンを使うということは、1平方メートルの土を掘って移すのに平均1万ウォンがかかるということだが、新しい貯水池を作るのに比べれば、はるかに経済的だ。流れる川から水をくみ上げて貯水池に入れる作業も並行している。農業用水の不足に備えるために今年の9月から全国の貯水池70カ所に50億ウォンをかけて、水3000万トンを入れる作業が進行中だ。

貯水池の安全点検と補修も干ばつ時に行わなければならない。1年に通常300~400個の貯水池を安全診断する。2014年に319個を診断したところ、すぐに修復する必要のあるD等級以下が83個に達した。毎年小型の貯水池2~3個の堤防が崩れるのだが、昨年8月には釜山の機張郡にある内德貯水池が大雨で崩壊した。被害住民が損害賠償請求訴訟を提起したが、機張郡は「2013年の安全診断でD等級を受けた貯水池8個を優先補修したため、C等級の貯水池はまだ修理していなかった」と釈明している。今年は安全診断を500個の貯水池に増やして、それとともに補修・補強工事を急がなければならないことだろう。

『朝鮮王朝実録』には、2500回以上の祈雨祭(雨乞いをする儀式)を捧げたという記録が出てくる。それ程、水管理は国家運営の基本だということだ。水政策には、我田引水式の政治論理ではなく、将来を見通す目が必要だ。
  • 毎日経済 チェ・ギョンソン論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-11-02 17:26:32




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