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[週末ユーモア] 失敗した陶磁器は簡単に壊すのに…


二浪、三浪の末にようやく大学に入学したのに、勉強は後回しにして、卒業した後にはちゃんとした職場に就職できずに家でゴロゴロしていた息子が母親と一緒にテレビを見ていました。

そんな息子を見たくなかったのか、母親はリモコンを掌握してあちこちへとチャンネルを回して、ドラマ、歌謡、ワイドショー、スポーツ、映画を全て避けて、リモコンで教養番組を押しました。

母親だって面白くないだろうに、とにかくテレビには陶芸家の一日が映り、陶芸家が満足する作品は微笑みを浮かべて触りながら棚に置き、ひびが入ったり形が気に入らない陶磁器は迷うことなくトンカチでたたき壊してしまう場面が出てきました。

母親は息子の顔をじーっと見つめます。そして、こんなことを呟きました。

「羨ましい、あんなに簡単に失敗作を処分するなんて…」

まさか、こんな母親がいるのでしょうか。「まさか」が人を窮地に追い込むという言葉を聞いたことがありますか。まさか、まさかと思っていた「まさか」が、「本当にこんなことが!」になることもありますから、気を付けなくてはいけません。「失敗は兵家之常事」(失敗はよくあることだから気を落とすなという意味、勝敗は兵家の常)という言葉がありますが、失敗が習慣になると人生自体が失敗作に分類されてしまうということに注意しなくてはいけません。

実は本人に誤りがなかったとしても、人生が間違って分類されることがあります。

そんなケースの話をひとつ。

ライオン一匹が動物園を転々としていたのですが、ライオンが数匹しかいない動物園へと移されました。

なぜ転々としたのか気になりますか。どの動物園もライオンの数が多過ぎたようです。ライオンに餌を与えて飼育するのにお金がかかるため、餌が高くない他の動物に変えようとでもしたのでしょう。

とにかく、新しい動物園で餌の時間を待っていたのですが、飼育係が来て投げ込んだエサがバナナだったのです。いや、私はライオンなのに、バナナだなんて。しかし、どうしようもありません。お腹が空いているのだから、バナナでも食べないと。皮をむく足芸は無かったので、皮ごともぐもぐと食べていたのですが、横の檻を見ると、なんと、ライオンたちが美味しそうなお肉の塊を食べているのが見えたのです。「なんと、余りにもひどい差別なのではないか」

横の檻にいたライオンに聞きました。「おい、お前たちは肉を食べるのに、なぜ俺にはバナナなんだ。理由を教えてくれ。今日は初めてだからだとしても、明日は肉をくれるだろうか」先輩ライオンがかわいそうに、という風に見つめながら言いました。

「お前は明日もバナナを食べなくてはいけない。ここもライオンの定員がオーバーして、お前はサルに分類されて入って来たのだから…」
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2016-01-17 08:00:00




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