トップ > コラム > FOCUS > 韓銀、構造調整に備えて「サプライズ」金利引き下げ

韓銀、構造調整に備えて「サプライズ」金利引き下げ


韓国銀行は9日、李柱烈(イ・ジュヨル)総裁の主宰で金融通貨委員会を開き、基準金利を年1.50%から1.25%に0.25%ポイント引き下げた。今回の引き下げは、昨年6月に1.75%から1.50%に0.25%ポイント下げた後の1年ぶりで、歴代で最低水準だ。金融通貨委員会7人全員の全会一致による決定だった。

先立って、韓国金融投資協会が債券の専門家200人を対象にした調査では79.4%が凍結を予想したが、凍結心理を破った「サプライズ引き下げ」であるわけだ。

引き下げの背景に対して、総裁はこの日の金融通貨委員会直後の記者懇談会で「タイミング」の重要性を何度も強調した。下半期の成長率の下落リスクがあり、構造調整の過程で大量失業の懸念があるうえ、米国が利上げの時期を遅らせる可能性があるだけに、今月は金利引き下げの適時だという説明だ。

まず李総裁は現在の景気の流れについて、「輸出が減少傾向を続けており、消費など内需改善の動きが弱まったなかで、経済主体の心理が不振だった」とし、「あわせて消費者物価の上昇率は、原油安の影響で今後も低レベルを続けるものと思われる」と説明した。李総裁は「上半期の韓国の経済成長率は、4月に韓銀が見通した数値に適合するものと予想される」とし、「しかし下半期の成長経路の下方リスクはさらに大きくなった」と述べた。李総裁は「構造調整が実物経済と経済主体の心理に与えるマイナスの影響を、けん制して緩和する必要があった」と説明した。

また来る14~15日、米国連邦準備制度が連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、基準金利を引き上げるかどうかを決定する予定の中で、引き上げの可能性が低くなった点も引き下げ要因として作用したものと解釈される。

李総裁は米国の政策金利引き上げの際に、内外の金利差の拡大で外国資本が流出するのではないかという質問に、「米国金利と韓国金利が1対1で動くわけではない」とし、「欧州中央銀行や日本銀行が緩和基調を維持している点を考慮すると、急速な資本流出が懸念される状況ではない」とした。

今後も基準金利を追加で引き下げるかどうかに対しては、「主要先進国よりは金利が高くてなくてはならず、基準金利をどこまで下げることができるのかを判断するのは難しい」としながら「しかし今回金利を下げて、実効下限に近づいたのは間違いない」と説明した。これまで金融通貨委員会は基準金利の引き下げ時に2度連続で引き下げたことが多く、7月に追加引き下げの可能性があるというわけだ。

一方でこの日、李総裁は政府に向かって実質的な補正予算編成を促した。李総裁は「今年上半期の予算の早期執行が終わったら、下半期の財政が成長に与える効果は大きくないという事実を政府はよく知っている」とし、「通貨政策だけでは成長可能性の弱体化を防ぐことはできない」と強調した。
  • 毎日経済_イ・サンドク記者/チョン・ウイヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-06-09 23:51:47




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア