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韓国ガス公社、9億ドルぶんのグローバル・ボンド発効…10年物は歴代最低金利

ブレクジット恐怖を払い落とす 

  • 韓国ガス公社、9億ドルぶんのグローバル・ボンド発効…10年物は歴代最低金利
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韓国ガス公社のドル表示外貨債券(グローバル・ボンド)に数兆ウォンに達する資金が押し寄せて、国内企業の中では史上最低金利でドルを調達することに成功した。英国の欧州連合脱退(Brexit/ブレクジット)問題で新興通貨と資産価格が揺れ動くなかで、国内企業が発行するグローバル・ボンドに外国人投資家の「ラブコール」が降り注いでいるわけだ。

金融投資業界によると12日、韓国ガス公社が5・10年満期の米ドル建て債券9億ドルぶんを発行するためにこの日、ニューヨーク・香港・シンガポールなどで需要予測を受け付けた結果、合計240の機関から40億ドルぶんの買い注文が集まった。発行主幹事はUBS、JPモルガン、クレディ・スイスなど6カ所が引き受け、アジアと米国系の保険会社や資産運用会社などが需要予測に大挙参与した。競争率は4.4対1にまで高騰し、債券発行金利は当初に会社側が提示したものよりもはるかに低いレベルで決定された。

特に10年満期の債券の金利は年2.325%で、これまで国内企業が発行したグローバル・ボンドの中では最低値で決定された。米国債金利(ベンチマーク)対比の加算金利も年0.90%ポイントで、輸出入銀行や産業銀行などの政策金融機関を除く非金融機関の中で最も低い。 5年満期の債券も年1.92%で、相当に有利な条件で決定された。ブレクジット国民投票の後の世界の金融市場の不安にもかかわらず、韓国の公企業などの優良社債は人気の上限価格を記録しているわけだ。

国際金融センターの関係者は「昨年、韓国の国家信用格付けが引き上げられて以後、優良な各機関投資家が韓国モノの投資比率を拡大している」とし、「マイナス金利を記録しているヨーロッパや日本系に比べて金利の魅力も高い」と語った。国際金融センターによると、2016年上半期の世界の債券発行額は138億ドルで、前年同期比で6.2%増加した。企画財政部の関係者は、「全世界的に投資するべきところがないという状況で、韓国と韓国企業に対する関心が高いと思われる」とし、「ガス公社は政府保証がないという点から、向後の各一般企業の債券発行にもよい例になるだろう」と語った。

韓国ガス公社のグローバル・ボンドは海外投資家の熱い反応に力づけられて、独自での最大発行はもちろん、非金融機関における最低金利発行という記録を立てた。 10年満期の債券は、アジアの機関投資家の割合が86%と最も高かった。投資家別では保険会社が60%で、資産運用会社が30%で後に続いた。

投資銀行(IB)業界の関係者は、「今回の発行で海外投資家が注目したのは、韓国ガス公社の良好な実績」だとし、「鉱物・石油などのエネルギー公社がほとんど営業損失を記録する市場環境の中で、黒字を維持する公社はまれだ」と説明した。第1四半期の韓国ガス公社の売上げと営業利益はそれぞれ7765億ウォンと894億ウォンだ。

韓国モノの高い人気は、韓国の国家信用格付けが引き上げられた影響も大きい。南米やアフリカなどの他の新興国の信用格付けが下落する状況で、韓国はむしろ信用格付けが上昇したためだ。最近のブレクジットなどで国際金融市場の不安が濃くなるや否や、韓国モノの安定性がさらに大きくクローズアップされている。国際金融市場の関係者は「最近、国際格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)から、韓国に対する追加の信用格付けの引き上げを検討するかもしれないというコメントが出された」とし、「韓国と韓国の各機関は非常に安定した投資先として浮上している」と語った。

実際に、国内の各機関が発行するグローバル・ボンドに対する海外投資家の選好度は着実に増加している。去る4月、キア自動車が発行した7億ドル規模の海外債券には、公募額の17倍に達する120億ドル(約13兆8000億ウォン)の注文が入ってきており、この5月に輸出入銀行が発行した25億ドル(約2兆9000億ウォン)規模の海外債券にも300以上の海外機関が参加して、2倍を超える52億ドルの投資注文が殺到した。

韓国西部発電(Korea Westernpower)とKTもこのような雰囲気に乗って、グローバル・ボンドの発行を準備している。先月、海外投資家を迎えるためにロードショーを進めた西部発電は、海外投資家の熱烈な反応に驚いた。西部発電の関係者は、「投資家の関心と問い合わせは思ったよりも多かった」とし、「韓国モノの人気は相当なものであることを感じることができ、期待感を抱いて発行を準備している」と語った。

2014年以来、2年ぶりにグローバル・ボンド発行を推進するKTは、近いうちに5億ドルを調達するために市場の状況をうかがっている。一般私企業ではキア自動車に続き、今年に入って2回めの発行の試みだ。国際金融市場では、KTの場合は海外投資家が特に好む国家の基幹産業である通信業をカバーしているだけに、高い人気を集めるものと観測している。

KTは2014年2月にムーディーズから等級を降格されたが、評価の見通しが安定から肯定的に調整されて信用度が改善された。
  • 毎日経済_チョ・シヨン記者/キム・ヘスン記者/キム・ヒョヘ記者/イ・ヨンゴン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-07-13 07:11:58




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