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コラム > 東欧の名門ZKW社が長考の末にLG電子を選んだ理由は?
「買収の過程でZKWは、企業の持続可能性をリードする適任者を最優先に考慮した」。
LG電子が2年あまりのこだわりの末にオーストリアの自動車照明企業ZKW社を買収し、熱かった交渉過程が注目を集めている。投資銀行業界によると、ZKWは日本のパナソニックと韓国のLG電子をめぐって比較検討するよりも、そうそうにLG電子を最適の引受者として指名したことが分かった。今回の契約に精通した業界関係者は、「ZKWが交渉過程で集中的に見た基準は、まさに買収候補企業のグローバルネットワークだった」とし、「ZKWはより優れたグローバルネットワークを持つ候補者が、ZKWを世界的な企業に育ててくれることを願った」とした。
全大陸にわたって販売網を持つLG電子が、パナソニックよりもはるかに有利な立場で交渉したというわけだ。ここではZKWを支配している所有者ウルリッヒ・モマート(Ulrich Mommert)氏のユニークな経営哲学も一役買った。通常、ヨーロッパの伝統的な家族企業は徹底した現場実習を通じ、経営能力が確認された子孫に事業を継承する。
一方、ウルリッヒ・モマート所有者は「企業の持続可能性を高めてくれる適任者がいる場合は、いつでも喜んで売却できる」という立場を示してきたと伝えられた。
業界関係者は、「LG電子と他のグループの主力社がすべて電装事業に参加しており、ZKWと高い相乗効果が保証されている状況だった」とし、「LGグループが韓国社会で模範企業という評判を得ている点も(モマート所有者が)考慮したと聞いている」と付け加えた。これに対してLG電子は、被買収企業の労働者の雇用保障期間を通常の契約より1~2年さらに長い「少なくとも5年以上」に延長して契約に署名した。これに対してLG電子の関係者は、「詳細な契約状況を明らかにすることはできないが、世界的な持続可能企業にZKWを成長させてほしいというモマート家の希望が大きかったのは事実」だとし、「ZKWとLGが蓄積してきた正道経営という経営哲学も、長い呼吸のディールが成果を出すところに役割を果たしたと聞いている」と語った。