トップ >
コラム > 「限韓令」解けるか?…王毅中国外交部長の訪韓
王毅(ワン・イー)中国外交担当国務委員兼外交部長が4日、「サード(THAAD/高高度ミサイル防衛システム)葛藤」の後で初めて韓国を訪れた。王委員はこの日、米国を狙って「一方主義と覇権主義が国際社会の最大の問題」だとし、「国際秩序と多国間貿易体制を守護する」と述べた。
この日の正午に仁川国際空港を通じて入国した王委員は、午後4時にソウルの外交部庁舎で康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と韓・中外相会談を行った。王委員はこの席で「現在、世界の安定と平和に対する最大の脅威は、一方主義が国際秩序を破壊し、覇権主義的な行為が国際関係の規則に挑戦すること」だとし、「(中国は)国際法を基礎とする国際秩序を守り、世界貿易機関(WTO)を礎とする多国間貿易体制を堅固に守るつもり」だと述べた。
王委員の発言は最近、ドナルド・トランプ米大統領が米・中貿易交渉の第1段階の合意が来年の大統領選挙まで行われない可能性を示唆し、再び対中圧迫に乗り出す気味を見せたことに対する警告性メッセージと解釈される。また、王委員は「中・韓両国は近い隣人であり、友人でありまたパートナー」だとし、「みなで正当な権益を守り、地域の平和と安定のために建設的な役割を発揮しなければならない」と語り、米国の貿易攻勢に対して韓・中による共同戦線を提案した。
カン長官は王委員の訪韓を契機に「限韓令(韓流規制令)」が完全に解除される可能性に重みを置いた。カン長官は「これまで両国関係の発展の過程で発生した成果を評価する」とし、「やや不十分な部分については改善・発展させることができる方案について、深い議論をできるようになったことを喜んでいる」と語った。
王委員はこの日、外交部長官公館でカン長官と夕食を兼ねた会合に続き、5日午後には青瓦台で文在寅(ムン・ヂェイン)大統領を表敬訪問する。王委員はムン大統領に会って、年末に中国で開かれる韓・日中首脳会議で習近平中国国家主席との二者会談の日程を議論するとみられる。
来年の年初とされる習近平主席の訪韓日程にも言及されるものと予想される。習主席は朴槿恵政府の2014年7月の国賓訪韓を最後に韓国を訪問しなかった。王委員の公式訪韓も2014年5月以降の5年6ヶ月ぶりだ。政府では王委員の訪韓、年末の韓・中首脳会議、年初の習主席の訪韓を通じて、依然として残存する「限韓令」を完全に解除できるという期待感が流れている。