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「モノのインターネット」の主役、ビーコン(Beacon)韓国導入事例

店に行けば商品推薦・割引クーポン /「昨日、お酒を飲みましたね」ヘヂャングク屋でメッセージ / 出国直前、スマートフォンに搭乗券 

# スマホの目覚ましが鳴り、会社の前のお気に入りのコーヒー専門店の朝食メニューが画面に表示される。ベーグルセットを選択し、出勤準備を終えてコーヒー専門店に到着した。「パク・ヒヂョンさん、さらに2回訪問するとアメリカーノの無料クーポンが送られます」というスマホのメッセージを見ながら席に座った。店に入って5分も経たたず、テーブルに選んでおいたメニューが出される。

# 「キム・ホリム様、ティーオフ時刻は6時半です」。ゴルフ場の玄関でバッグを下ろすやいなや、スマホに浮かんだメッセージだ。食堂に入ると「昨日は飲み会でしたね。平昌の清浄肉で料理したヘヂャングクはいかがですか?」というメッセージが入る。食事を終える頃、手首につけているスマートウォッチに「ティーオフ10分前」というメッセージが浮かんだ。

  • 「モノのインターネット」の主役、ビーコン(Beacon)韓国導入事例
「モノのインターネット(Internet of Things/IoT)」の時代が開かれ、スマート機器に合わせた情報を送信する「ビーコン」が本格的に広がっている。他の近距離無線通信技術であるNFCの場合、到達距離10センチ以内で接続してこそ情報伝達が可能だが、ビーコンは最大150メートル内のすべての端末に信号を送ることができるのが長所だ。

ビーコンの信号を受信すると、スマートフォンにインストールされたアプリケーションが応答し、利用者に応じたクーポンや案内などを表示する。アプリが既に利用者の性別・年齢・職業などを把握しているので可能だ。

ビーコン技術はグローバル企業が関連ビジョンを提示しつつ市場に紹介された。アップルは昨年、iOS7に最適化されたビーコン標準規格である「iBeacon(アイビーコン)」を提示した。エスティモート(Estimote)など、ビーコン・メーカーがこの規格に合わせてビーコンを製作している。グーグルもiBeaconに対抗して、独自の規格である「ニアバイ(Nearby)」を開発していると伝えられた。

グローバル・オンライン決済会社のペイパル(PayPal)は、顧客がビーコンの設置された店で自動支払いできるサービスを来年から提供する予定だ。

市場調査会社のABIリサーチ(ABI Research)は、年末までにビーコンが全世界の3万カ所以上に設置されると見込んでいる。海外では米メイシーズ(Macy's)が試験設置し、デパート内の道案内やクーポン発送等のサービスを提供している。ヴァージンアトランティック航空は英国のロンドン・ヒースロー空港にビーコンを設置して、乗客が出国ゲートや空港のセキュリティチェックに近づくと、スマートフォンに自動的で搭乗券を表示するサービスを行っている。韓国ではソウルの明洞大聖堂、ベアクリーク・ゴルフクラブ、盆唐ソウル大学病院などで導入された。

ビーコン市場が大きくなると予想され、SKテレコムが4種のビーコン端末を出荷し、パープルズ(Perples)やアバコンなどの中小企業も続々と参入している。現在は主にスマートフォンに信号を伝達するサービスだけが、今後はスマートウォッチなどのウェアラブル機器にも情報伝達が可能になると思われる。

とは言え、利用者の位置情報・個人情報をベースにしたサービスという点で、プライバシーの問題が台頭すると思われる。

また、ユーザーが該当のアプリをダウンロードし、Bluetooth機能をオンにしてこそサービスが可能な点も欠点だ。

■用語の説明
ビーコン(Beacon):室内で5~10センチの誤差でスマートフォン、タブレットPCとスマートウォッチなどウェアラブル機器の位置を把握し、低消費電力のBluetooth(近距離無線通信)を利用して信号を送信する送信機。たいていはスマートフォンよりも小さいサイズの製品で出ている。
  • 毎日経済_ファン・ヂヘ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-06-20 15:39:12




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