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[インタビュー]オ・スンファン、大胆かつ繊細に、そして完璧に


「結局、私が相手するのは打者のスタイルではなく集中力ですから」

プロ10年目、抑えのオ・スンファン(阪神タイガース)がリーグ打者たちに対する細かな分析ノートに大きく依存しない理由は自身の位置を誰よりもよく理解しているためだ。

サムスンのユニフォームを着ていたときも、阪神を日本シリーズに引き上げた今年も、リーグ最高の抑えの自負心を守ったオ・スンファンはどのような打者も軽く見ず、どんな打者も恐れないクローザー(Closer)だ。

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「起伏が無いことが一番重要です。抑えは必ず防いでくれると信じて上る投手ですから」。

彼が話す抑えの最初の条件はタイトだ。100%と競う場所、一度のミスが厳しい最終的な結果につながる勝負の重量に耐える職務であるからだ。

3割を打てば首を挙げることができる打者や、1シーズン30回余りに登板して15勝を目標とする先発投手たちとは違う立場。

何度か考えたが、抑えに『メンタル』が重要な理由は極度の緊張の瞬間に大胆な勝負をせねばならないためだけではない。ミスが許されない場所で失敗を経験しながらも、いつでも『自分は必ず勝つ』という信頼を守らねばならないため。

「特別に楽天的な性格とは言えなくても…天性の心配性ではないでしょう」

日本に渡るときにもそうだった。ただ淡々と自分を信じていた。

「(適応するのに)大変だという言葉は一度も聞いたことがないと思います」

オ・スンファンの気持ちを誰が心配するか。しかしあれこれしてくれる言葉の中に慣れない生活や日本野球に対する警戒心はありそうだが、彼の記憶にはほとんど残らなかった。

「(イ)スンヨプ兄さんも良い言葉だけを言ってくださった。食事も、生活も、人々も野球も。韓国と大きな差はなく、気楽に適応できるだろうと…」

一年を過ごしてみて、実際にそうだった。後で思い出すこれといったエピソードもなく彼はすっと日本の生活に、日本の野球に居場所を見つけた。意外にもオ・スンファンがより気楽なチーム仲間に挙げたチームはサムスンよりも阪神だ。

「サムスンでは、実際には後輩たちが渡しを恐れる場合も多かったんです。けれど阪神では先輩後輩に大きな拘りはなく皆気さくに私に接してくれた。互いに負担のない仲になってみて阪神チームの仲間がより気楽です」。

野球生活で大きく苦労した時期は2度の手術経験程度。おおよそ彼は野球をしっかりとやり、日々トップにいた。良い縁、良い環境の運もついてきたことに感謝する。一番大きな幸運はプロ初チームとしてサムスンに出会ったことだ。

「マウンドにはチャンスがあり、そのチャンスを私がしっかりと生かすことができるように支えてくれたチームのエネルギーもありました」。

サムスンは彼にチャンスと成長すべてを与えた巣だ。韓国が今年遅くまで『秋野球』をしていたお陰で日本シリーズまで終えて帰国したオ・スンファンは韓国シリーズをスタンドから見守ることができた。

「サムスンの優勝の胴上げを外から見る気分がぎこちなかった。私があの場所にいなくてもいいのか、少し錯覚もして…」

日本でもしっかりと韓国野球を見守ってきたオ・スンファンは今年ネクセンを強い相手と見た。自分が走る試合よりもさらに緊張した気持ちで実家チームを応援した。ハラハラしていた時間だけ優勝の瞬間は感動的だった。

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シーズン中の日課表は単純だった。起床時間も、食事をする時間もほとんど一定していた。やはり馬鹿正直さが似合うと全てのことに心が広いと思ってはいけない。

「本当はあまり良く眠れない方です。バスではほとんど苦労し、座席を倒しても簡単には眠れません」

マウンドでは揺れることの無い『石仏』『自然人オ・スンファン』は少し敏感な男だ。眠りが浅く、小さな音でも目が覚める。血液型はA型で正しいが、しばしば言われる『A型の性格』は否定する。細かな隅はあっても「小心者の男ではないから」。

大邱で一人で住んでいるとき犬を飼ったりもした。幼い甥たちを可愛がるほどに子供が好きだ。花もしっかり育てて簡単に枯らすことはない。母に多感な『娘役』をするという3兄弟の末っ子息子というから、愛情深い『お手伝いさん』の才があるようだ。

マウンドでは、どんな瞬間にも表情が揺れないシックさが魅力であるが、ファンサイン会では意外にも『石仏』はふと誰よりも明るく笑ってくれる。

日々『完璧』でなければならない役割。その重い配役を10年担っている強心臓も『ときめき』を知っている。

「人々が考える大きな試合、重要な勝負には緊張はしません。けれど私が緊張する試合もあります」。

つまりは状況よりもコンディションだ。
  • MKスポーツ イ・スンミン記者 / 写真=オク・ヨンファ | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-26 07:27:32




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