【韓国コラム】ペペロデー(ポッキーの日)


11月11日。韓国ではこの日を「ペペロデー」と呼ぶ。まあ、公式名称ではない。ロッテ製菓の商品名のため放送では「チョコスティックデー」や「棒菓子デー」と呼ばれている。少し不思議な感じがするだろう。

ペペロデーは、バレンタインデー、ホワイトデーとともに恋人、いや男女の間に大切な記念日として位置づけられている。

ペペロデーは釜山(プサン)の南の黄霊山(ファンリョンサン)の麓にある女子高から始まったと言われている。現在は無くなったケソン女子中学校が先という説もある。

ロッテ製菓の嶺南(ヨンナム)地域の販売所長の報告がなかったら、ただ釜山の女子中学、女子高校で行われたハプニングで終わっていたかもしれない。

その地域の販売を担当していた所長は毎年11月11日になるとぺぺロの売上が上がることを直視し、その原因を探した。ダイエットに成功した女子学生たちが、ぽっちゃりした友達に「ダイエットをしろ」と言って、ペペロを買って分けて食べていたことが分かった。

所長は本社に報告し本社マーケティングチームは絶好のチャンスを逃さなかった。

「11月11日はペペロを食べる日。恋人にプレゼントしてください」

男女を問わず、スレンダーが美の基準となった21世紀に安定したマーケティング戦略だった。

そしてペペロがもの凄く売れた。自分は食べなくても彼女の好みとは関係なくペペロを買ってあげるのが義務付けられてしまった。もちろん「ソロ部隊」は憎悪する日が1日増えてしまった。

11月11日前後に売れるペペロは年間販売量の50~60%にも上る。

ペペロデーが文化現象として定着すると、あちこちで「なになにデー」を作り始めた。ジャージャー麺を食べるブラックデー、焼酎を飲むグリーンデー。ロッテ製菓のライバル、ヘテ製菓は主力商品のお菓子「エースデー」を作り広告漫画を描いて広告を次々と掲載したが、今は跡形もなく消えてしまった。ヘテは現在、ペペロの元祖である日本のポッキーをライセンス方式で生産し、ペペロデーに便乗している。

ペペロデーが定着したことで気分が悪い人もいる。この日は1964年に制定された「農業人の日」なので「ペペロのせいで農業が忘れられてしまう」と怒っているのだ。

「農業人の日」の語感があまり良くないため政府と農協、そして一部のIT企業が「餅デー」と言ってお餅を配っているが、効果はあまりない。人為的に作ったイベントは消費者が作った、ある意味では自然にできたイベントに勝てないはずだ。

自然と生じた心。

ぺぺロデーを控え、小学生の子供1人がこう尋ねた。

「ペペロデーなので先生にお菓子をプレゼントしてもいいですか?」

先生にせっかくプレゼントしようと思っていたが、プレゼントをしても先生が困るのではないかと心配しているのだ。

大人になると、どうしてこんな心は消えるのか切ないばかりだ。毎年11月11日には老若男女を問わず失われた童心を取り戻す日になればと思うこともある。
  • Lim, Chul
  • 入力 2021-11-13 00:00:00