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俳優ユ・アイン「『地獄が呼んでいる』の主題は簡潔ですよ」


  • 俳優ユ・アイン「『地獄が呼んでいる』の主題は簡潔ですよ」

ネットフリックスのドラマ『地獄(邦題『地獄が呼んでいる』)』で俳優ユ・アインの出番は多くない。多めに計算しても第1~3話のランニングタイム(48~53分)のうちで、出演する分量は最大で12分ずつを超えない。刑事キョンフン役のヤン・イクジュン、弁護士ミン・ヘジン役のキム・ヒョンジュの分量がむしろ長い。

しかし視聴者たちはドラマ『地獄』の核心人物として「チョン・ジンス新真理会議長」を熱演したユ・アインをあげる。劇中でチョン議長だけが「神の意図」を解釈した唯一の人物であるからでもあるが、何も見ないようなふりをして全てを看破してしまったような眼、何も説得しようとしないようですべてを屈服させてしまったような彼の言い方は、ドラマ全体を引っ張っていく。 去る3日、映像インタビューを通じて俳優ユ・アインに会った。

「他の人物は地面に足をつけて空を眺めるけれど、チョン・ジンスだけが地面に浮かぶ人物じゃないですか。そんな違いがあることでどのように調和させるか…悩みました」。

『地獄』のプロットはこうだ。ソウルの真ん中で「地獄行きのデモ」が繰り広げられる。巨大な顔をした存在が地獄行きを予告し、告知された時間に死者の群れが現れて、告知された者を燃やして殺す。「神の意図」を最初に世に広めたチョン・ジンスは、新興宗教の首長になる。

『地獄』はドラマが公開された後にネットフリックス世界1位を記録し、「信念と信仰」に関する数多くの解釈を生み、作品性と大衆性を同時にわしづかみにする。

「地獄と天国は数え切れず解釈された永遠不滅の素材じゃないですか。でも地獄という素材を重く見るだけではなく、娯楽性の濃い作品の中で簡潔にメッセージを溶かし込んだ作品だと思いました。事実、俳優としては評価することになるので、一般的な鑑賞は不可能な方ですが、今回の『地獄』は私も視聴者の立場でイッキ見が可能な作品でした」。

チョン・ジンス議長のキャラクターをめぐって、ユ・アインは似非宗教と呼ばれる教団教主たちの実際の映像を参考にした。「劇全体に魔獣をあやつる人物を深く考えた」と彼は打ち明ける。

「教主と呼ばれる方々の映像を参考にしてみると、いわゆる信じますか!とやる人はいませんでした」。

ユ・アインはどこでも暗躍する盲信に対する比喩が『地獄』の核心キーワードだと見た。 「ネットフリックスで『地獄』が公開された後、1時間にもならずにまるで6部作を見たかのような説明で、アクプルをした方々もいらっしゃったんですよ(笑)。一回だけさっと見て、聞きかじったことや小耳にはさんだ情報ですべてを知っているように他人に信仰を強要する方々です。 そんな現実が作品と重なって見えました」。

ユ・アインの演技の悩みとは異なり、ドラマが公開された後は彼の演技を絶賛する評価が支配的だ。彼は「世界の舞台に紹介する韓国俳優としてユ・アインがふさわしい」というコメントに。「あまりにも、気持ちがあまりにも良い」と笑った。

「事実、演技はますます難しくなります。少しのスキも許さないような観客の刃のような視線も感じられて、精神をきちんとしなければ危険だと思うんです(笑)。今は外国の観客の方々に、どのようにすっきりした表現を伝えるべきか悩みもします」。

『地獄』がネットフリックス世界1位を記録した点について、彼は「1位を長く維持してほしい」と笑いもした。「作品に対する解釈と評価がますます熾烈になりますが、世界の観客の反応を全体的に見ることができるというのは感謝するべきことです。しかし世界市場のための演技と内需市場のための演技に違いはありません。演技の核心を守ることが重要だと確信しています」。

米櫃に閉じ込められて泣き叫ぶ思悼世子(サドセジャ)(映画『王の運命』)、燃えるビニールハウスを目指して走るジョンス(映画『バーニング』)、世の中の人々を見下すチョ・テオ(映画『ベテラン』)など、さまざまな映画で全く違う演技を披露した。今回のドラマでユ・アインは「似非宗教教主」というもう一つの完璧な人物をフィルモグラフィーに打ち込んだ。

「線の太いキャラクターを演じて大きく好評を得られたなら、それは一方ではその俳優に対する先入観を生み出すこともするでしょう。だから私も他のさまざまな実験と試みを経ましたが、チョン・ジンスを演じながら強いエネルギーを持った人物のレベルアップバージョンをお見せしたかった。俳優として成長を成す過程だと思います。さらに「大きな枠」で私の演技を受け取っていただけたら理宇う気持ちです(笑)。
  • 毎日経済 | キム・ユテ記者
  • 入力 2021-12-03 20:08:29