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【韓国コラム】Vaccineは白神ではない


ワクチンが英語ですか?漢字ですか?
誰かがこう尋ねた。
無知ですって?

韓国ではワクチン(vaccine、韓国ではベクシンと呼ぶ)を漢字だと思っている人がかなり多い。勇敢にも白を意味する「白(ペク)」に、新しいを意味する「新(シン)」で白新、白を意味する「白」に神様という意味の「神」と書くと教えてくれることもある。

「白新」は身体をきれいにするという意味で、「白神」は全知全能の神が病気を防ぐという意味にもなる。

Vaccineの語源は「牛」を意味するラテン語vaccaだ。天然痘の予防法を解明したイギリスの医学者エドワード・ジェンナー(Edward Jenner)がつけた名前だ。天然痘の予防物質を牛から得たので牛への感謝を込めて名付けたのかもしれない。

エドワード・ジェンナーが世の中にない物質、誰も知らなかった事実を研究した末に発見したわけではない。開業医となった故郷の村で、牛の乳をしぼる夫人たちが天然痘のような牛痘を経験した後は、天然痘にはかからないことを実験により確認したのだ。

言葉は簡単だが、エドワード・ジェンナーの牛痘法が認められるまでにかなり時間がかかった。「牛の膿みを入れたら牛に変わる」というデマとも戦わなければならなかった。


エドワード・ジェンナーは、11か月の息子を含む23回の実験を行った後、その結果をイギリス王立学会に報告した。

エドワード・ジェンナーは、牛痘法を特許にしなさいという周りの勧告や強要を無視し、すべての人に無料で使えるように放っておいた。牛痘法が制定されて以来、人類史上最も多くの命を奪った天然痘は撲滅された。もう予防接種をする必要までなくなったくらいだ。

それからワクチンは全人類の崇拝の対象となった。ジフテリア、髄膜炎、ポリオから自由になったため、賞賛を受けて当然なことに違いない。

しかし、称賛も度が過ぎれば毒になるものだ。ワクチンも例外ではないようだ。

進化する新型コロナウイルスはワクチンへの称賛をしばらく止めるよう警告する。天然痘、ジフテリア、ポリオで見せた集団免疫効果が新型コロナウイルスの場合、現れる気配がないからだ。

防疫の専門家たちは「集団免疫は水泡に帰したかもしれませんが、それでも注射を受けたほうがいい」と声を一つにしているが、医師たちの言葉も素直に聞くのは難しい。

「牛痘法」を無償で公開したエドワード・ジェンナーとは違って、新型コロナウイルスのワクチンは製薬会社や医療界に大金を稼がせている点も全く違う。

とにかく新型コロナウイルスによって改めて悟った。Vaccineは白新、白神ではないということだ。
  • Lim, Chul
  • 入力 2022-02-26 00:00:00




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