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[韓・中 FTA] 中国市場を誰よりも先に占有できるかが要だ


中国の習近平政府の国際舞台への登場は華やかだった。自国の首都で21か国の首脳会議を開催して、中国のリーダーシップを見せただけでなく、アメリカと競争心を見せてきた地域経済の統合にも中国の既存の立場を確固として根付けた。

これにより、ついに中国が大国崛起戦略を本格的に推進することにしたという観測が出てきている。すでに、かなり前からボアオ・フォーラムを通じて国際経済のイシューに対する西方世界の影響力に巻き込まれないという点を明らかにしてきており、今年に入り、アジア投資銀行(AIIB)の設立を通じてアメリカに偏った国際金融体制を正しくするという意思を全世界に見せていた。

2010年以降、アメリカが主導的に推進してきた環太平洋経済連携協定(TTP)について中立的な立場をとるような行動をしながらも、今回の首脳会議を通じてアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の優越性をアメリカをはじめとしたTTP国家たちに認識させた。今回のFTAAP推進戦略に対するアジア・太平洋経済協力体(APEC)首脳会議の同意を受け取る過程を総合すると、中国はアメリカが主導するTPPを良くは思っておらず、これからもTPPに参与する意思がないとほのめかしたものと考えられる。

FTAAPと一緒に中国のAPEC最大のイベントは韓・中自由貿易協定(FTA)交渉の妥結宣言だった。TPP結成で中国けん制と韓国に遅れたFTA地域主義を一挙に挽回しようとする日本に韓・中FTAの妥結は小さくない衝撃として受け入れられている。APEC首脳会議に合わせて交渉の妥結を宣言した点とTPP交渉が進んでいない点などを勘案すると、アメリカのオバマ行政部に示唆するところも少なくない。

朴槿恵大統領と習近平中国国家主席は、韓・中自由貿易協定(FTA)交渉の妥結を宣言した。去る7月にソウルの首脳会議で今年までの妥結に合意し、その後、これまでの交渉の停滞を挽回するために、去る3か月の間、両国の交渉当局は忙しく動いた。韓・中FTAについていくつかの観点が提議されてきた。何よりも、韓国と地理的に最も近い第1位の交易対象である中国とのFTA交渉を早期に妥結しなくてはいけないという立場がある反面、すでに韓国内の食卓を占領した中国とのFTAにおいて、農業の開放は韓国農業に致命的で、中国は韓国の最後のFTA対象国でなければならないという主張が少なくなかった。

このような相反する立場を考慮して、韓国は世界のFTA史上、類を見ない2段階市場開放を中国側に提案し、東アジア経済統合の主導とアメリカのTPP推進に対応しなくてはいけない中国は、韓国の提案を受け入れるしかなかった。問題は、品目の数を基準に90%(貿易額基準85%)開放という原則に、韓国はほとんどすべての農産物を自由化の例外に分類することにより、中国は韓国の関心品目の大部分をFTA除外として対応することにより、開始してから初めの2年間は両側間の交渉は停滞するしかなった。

今年に入って、北京APEC首脳会議を契機にTPP交渉妥結宣言を企画するとの噂が出まわり、中国はこれに対応するために韓・中FTA交渉の妥結をAPEC首脳会議の最大の広報ポイントの糸口にし、習首席が去る7月にソウル韓・中首脳会議で今年中の妥結を懇切に要請したのもこのためだ。内容が不十分であることは惜しいが、APEC首脳会議により中国と戦略的な目的により、世界10大交易国としては韓国が初めて中国とFTAを「実質的に」交渉妥結することができた。残りの争点を早期に終わらせて発効させ、第一位の交易対象国でありながら、急速に成長している中国の内需市場を先に占有する効果をあげるようにしなくてはならない。
  • 毎日経済_チョン・インギョ客員論説委員・仁荷大学経済学科教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-11 17:44:25




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