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「Hansot」イ・ヨンドク会長の経営散歩、外食事業は「待つことの美学」


  • 「Hansot」イ・ヨンドク会長の経営散歩、外食事業は「待つことの美学」
外食事業において最も重要なことは何だろうか。私は「外食業は善良であればこそ成功する」という言葉をよく言う。その理由は、外食産業は、他人のことを考える利他主義を基盤にしてこそ顧客の心を掴むことができるからだ。だからある人は、外食産業を「与える(よそってあげる)事業」だとも呼ぶ。ところが、すべて与えてしまえば何が残るだろうかという疑問が提起される。これは、外食業の中核を知らずに出て来る言葉だ。飲食店をしている人がすべて与えている間、顧客はその飲食店への信頼が積もって満足感も構築される。常連客になった人々は、自分から営業をしてくれる。友人や周りの人に知らせ、連れて来ることもある。つまり、広報と広告費をまさに与えることで代替したのだ。これが与える飲食店の商売の秘訣だ。言い換えれば、店舗のブランド価値が生じたのだ。その次は、「待つことの美学」が残っているだけだ。

多くの自営業者が収入と与えることとの相関関係を知っていながらも失敗したケースを頻繁に目撃する。それは「待つことの美学」を知らないからだ。惜しみなく与えて、一定の期間は待たなければならない。お客様の反応は待つことを前提とするからだ。いつだったか性格がせっかちな人が飲食店をオープンしてからすぐにあらゆるマーケティングをやり尽くした。試食イベントに割引イベント、景品イベント、インターネットと地域の広告まですべて実施したが顧客がたくさん来なかったため、店舗を閉じることにした。自分ができることをすべてしても結果が出なかったということが理由だった。しかし、店舗を他の人に売ってから、その店舗に客が集まってきた。理由は簡単だった。これまで努力した結果が飲食店を売ってから現れたのだった。

「待たなくても来て、待つことさえ無くした時も君は来る」と言った詩人の句節のように、努力の対価は時間が解決してくれるものだ。筆者もお弁当事業をしながら危機がきたが、「待つこと」でその危機をチャンスにした。 IMF危機の時期、ウォンとドルの為替レートが急騰し、ものを卸してくれていた協力会社が製品価格を上げてくれと大騒ぎをした。しかし、私は利益のために、経済環境に付和雷同せずに、もっと待つ選択をした。それとともに、消費者の次に加盟店の収益に気を使う私としては、まず加盟店主らの意見を聞いてみた。驚くべき答えがあった。すべて異口同音に加盟店のマージンが減ったとしても、消費者価格は上げないでおこうと言うのだった。このような意見を協力会社に伝え、1年だけ我慢して待ってもらった。その翌年に取引量や売上高が今より二倍増加すれば、待ったことに対する報償を受けるだろうと説得した。もし報償を受けることができない場合は責任を負うと言った。結果は、予測されたもの以上だった。消費者は価格を上げていないHansotのお弁当に信頼を送りはじめ、ちょうどあふれ出てきた多くの名誉退職者がHansot弁当の創業を選択、「Hansot」というブランドは、韓国を代表するお弁当ブランドとなった。

Hansotは1993年7月、ソウル鍾路区庁前に最初の店舗を出した後、21年間で店舗が670以上(2014年11月末基準)に増えた。思ったより店舗数が多くないと言う人もいる。しかし、お弁当容器の規制という悪材料はあったが、早く結果を作り出そういう早急な成長は、多くの問題を抱えるしかなく、問題を解決するために成長が遅滞され、最終的には市場の順位で押されざるを得ない。このような試行錯誤を解決するための方法は、慇懃と根気、すなわち待つことにある。米国の経営学者ジム・コリンズは、偉大な(Great)企業に跳躍した企業には、やはり「待つことの美学」があったと述べた。偉大な企業は地図にない道を行く先頭走者であるため、常に革新のための「待ち」がなければならない。Hansotもない道を自ら切り開いて行かなければならないリーダーだからこそ、早急ではない「待つことの美学」で消費者の心を逃さないだろう。
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  • 入力 2014-12-18 15:20:04




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