トップ > コラム > オピニオン > [コラム] ユ・スンミンの「暖かい保守」に既得権総が同参を

[コラム] ユ・スンミンの「暖かい保守」に既得権総が同参を


保守が革新を語り始めた。

セヌリ党(与党)のユ・スンミン院内代表は、国会演説で「二極化解消を時代の課題として提示した盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領を高く評価する」とし、合議の政治を強調した。ユ院内代表は、韓国社会の二極化が深まり、低成長の中での福祉拡大という問題を賢く解決するには、合議の政治が必要だと強調した。

保守の新しい地平として、ぬくもりのある共同体建設のために汗を流す姿を示し、その方策として、富裕層と大企業への増税、財閥改革、非正規職の正規職への転換強化などを提示した。問題となっている「セウォル号特別法施行令(案)」に対する苦言も忘れなかった。

これに先立ち、ユ院内代表は与党側の人士としては珍しく街に出て、籠城しているセウォル号の遺族の手を取り、「特別法施行令」で問題の素地のある内容を修正するように政府に話すと明らかにしたことがあり、保守を革新しようとする真正性を示した。

ユ院内代表の演説に対して保守陣営は概して肯定する評価だが、反論も少なくない。特に朴槿惠(パク・クネ)大統領と近い議員らの反発が激しい。これは「増税なき福祉」という現政府の重要な政策を、正面から反する内容が含まれているためと思われる。実際に、ユ院内代表は「増税なき福祉は虚構だ。セヌリ党はこれ以上、134兆5千億ウォンの公約家計簿を守れなくなった」と語った。

ユ院内代表はパク大統領の冷たい視線にもかかわらず、押し進めている創造経済に対しても成長のための解決策ではないと指摘したため、親パク陣営では戸惑うしかない状況だ。与党側と保守陣営の一角は、ユ院内代表の発言を私見として「平価切下げ」を行うおとする心理を理解できなくもない。

しかし、二極化を癒すために保守陣営が力を傾けなければならないというユ院内代表の発言には、増税をはじめとする金銭的問題をはなれ、韓国社会の痼疾的な疾患となってしまった信頼不足と、これによって増幅される階層間葛藤を解消しようとする意志がこめられていることを認識しなければならない。セウォル号惨事の後、安全な社会を構築しようと全国民が一斉に声を上げたが、政府と与党は巨額の賠償金を前面に立てた。

これによって、セウォル号の遺族は世論と分離された。深くなる二極化現象により、腹のすいた庶民らは賠償金を受け取るセウォル号の遺族に背を向ける、とんでもない状況が展開しているわけだ。このような葛藤を助長して、保守陣営が安全を渇望しては困る。

ユ・スンミン院内代表が描く保守の姿には、貧困層と失業者、信用不良者などの社会的弱者に配慮する、ぬくもりのある保守が盛り込まれている。ユ院内代表の発言が気に入らないからと、青瓦台と角を立てた意図が何なのかと追及している保守陣営は、韓国の保守勢力がはたして守るべき価値を持っているのかというところから自問するべきだ。

「回らない水は腐る」。大海に向けて小さな出口を作ったユ・スンミン院内代表の作業に、韓国の保守陣営も同参してくれることを願うばかりだ。


  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2015-04-12 09:00:00




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア