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[社説] 「自殺した職員の遺書を信じて」と国家情報院が集団署名


呆れもするし、驚きもするし、まずは恥ずかしい。最近、韓国社会で論難されている国家情報院のハッキングについてだ。

違法なハッキングプログラムを購入するなど、実務を担当していた国家情報院の職員が資料を削除した後、「内国人(韓国人)に対する査察はなかった」という遺書を残して自殺した。国家情報院の職員たちは、「故人が死によって証言した遺書の内容を文字通り受け入れなければならない」とし、「国家保安の価値をこれ以上汚さないでほしい」という職員一同名義の声明を発表した。

外国企業にお金を払って、ハッキングプログラムを購入し、違法ハッキングを断行したことが暴露して査察を受けていた職員が資料を削除した後に自殺して、自殺をしながら残した遺書の内容を認めてほしいという職員の声明が発表されるに至るまでの一連の事態から、国の安保に責任を持つ情報機関の権威は見つけることができない。

今回の事態は、国家情報院がハッキングプログラムを購入したイタリアIT企業のハッキングチームがハッキングにあったことにより起こった。誰かがこの企業のメインコンピュータに入って内部情報を丸ごと取り外してインターネットに公開しながら、一緒に明らかになった。

国家情報院は、国民査察用に購入したのではなく、国外向けだと解明している。南北が分断された状態で、国家情報院は北朝鮮の情報を取得するためにあらゆる手段を講じなければならない立場にあるため、国家情報院の解明をそのまま信じてくれと言われても、失望を禁じえない。

まず、いくら友好的な国、信頼できる外国企業であっても、対外諜報活動をしながら、外国企業を使用するという事実自体が納得し難い。単発的に国家安保に重要な情報を得るために外国人を雇用することはできるが、外国企業からハッキングのプログラムを購入してアドバイスを受けたという事実は、別の問題だ。

外国企業を利用した情報が敵対国に流出しないと信じていたのだとしたら、情報機関としての専門性を疑わざるを得ない。実際にイタリアのハッキングチームが荒らされ、国家情報院がこれまで行ってきた動きが一つ一つ暴露されている。さらにマーズ事態により韓国人が家の外に外出をすることも控えていた今年6月、マーズ情報のリンクを偽装したマルウェアを要求したという事実さえ明らかになった。

その後に行われた国家情報院の行動は、国民を失望させるのに十分だった。国家情報院はすでに大統領選挙介入疑惑を受けて元トップが獄中生活をしている状態だ。最高裁で政治介入ではあるが大統領選挙介入と見るには証拠が足りないとして、部分的に国家情報院の意見に同意したたものの、国民の目から疑惑を消すには不足している。

国民の不信を買っている状態では、過去の誤りに対して一抹の反省もなく自殺した職員の遺書を文字通り認めるよう求める「国家情報院一同」名義の声明は、むしろ国家情報院に悪口を言わせる行為だ。国民の情緒すら読めない情報機関に国家の保安を任せることができるのか心配にさえなる。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2015-07-26 09:00:00




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