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[FOCUS] ヨウカーだけに集中する韓国の観光産業


「故宮と寺の見物だけ飽きるほどした。 韓国でできることはもっと多いようだったが、それに対して英語で表記された情報を見つけことは難しく、残念だった」

去る4月16日、世界旅行観光協会(WTTC)総会で会った、米旅行産業協会(USTA)ロジャー・ダウ(Roger Dow)会長の愚痴だ。去る3月に初めて休暇を出してアジアを旅していた彼は、ベトナムツアーをしていた途中、突然韓国に来たくなったそうだ。急いでスケジュールを変えてソウルに向かったが、英語で書かれたソウルの旅行情報は、貧弱だった。仕方なく観光地に常駐する旅行ガイドの説明にだけに頼らなくてはいけなかった。世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)のデイビット・スコースィル(David Scowsill)会長も口添えする。「韓国での観光は、ソウルに集中している。他の地域は国際的にマーケティングが不足し、様々な魅力を感じることができない」と物足りなさを吐露した。

グローバル旅行業界の首長らのこのような指摘は、韓国の旅行産業に示唆するところが大きい。韓国観光公社によると、韓国に訪れた外国人観光客は昨年、1420万人に達し、観光産業の規模は世界15位(285億ドル)のレベルだ。

それにも関わらず、韓国の観光産業はまだ先が遠い。まず、中国人と日本人の観光客に偏重している。昨年、外国人観光客の43%(610万人)が中国人で、16%(230万人)が日本人だった。3番目に多いアメリカ人(77万人)は5%に過ぎない。もちろん地理的特性上、近い周辺国から旅行に訪れるのは当然のは事実だ。しかし、その差があまりにも大きい。ロジャー・ダウ会長の言葉通り、英語で書かれている旅行情報が不足しているせいではないか、振り返る必要がある。

旅行業界の慢性的な低賃金構造も改善しなければならない。昨年、韓国内の40業種中で平均賃金が最も低い業種は旅行業(3100万ウォン台)だった。低賃金が固着されれば、優秀な人材が旅行業界に入るのは難しい。デイビット・スコースィル会長がアドバイスする「国際マーケティング」「多様なコンテンツ開発」なども前途遼遠になる。最近の国内旅行産業が「ヨウカー(中国人観光客)」の波だけに頼っているのではないか、点検してみなければならない時だ。
  • 毎日経済_ノ・スンウク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-27 12:46:56




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