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[世智園] 海の植樹祭


  • [世智園] 海の植樹祭
5月10日は海の植樹祭の日だ。「そのような記念日があるのか」と 聞き返す人もいるが、厳然たる国家記念日だ。海中の生態系が荒廃していいくことに対する警戒心を呼び起こしたいと、2012年に水産資源管理法を改正し、国家記念日に決めた。世界で初めて海の植樹祭を指定したのだ。

別名アルビノ(albinism)または白化現象と呼ばれる「海の砂漠化」が韓国で初めて観察されたのは、1998年の西帰浦(ソグィポ)の南方の海上からだ。水深10~20メートルの岩からのり類、ワカメ、昆布などの海藻類が消え、石灰藻類がその場を覆う現象だ。その後、海の砂漠化は済州島のすべての海域に広がっただけでなく、東海(日本海)と南・西海(東シナ海)沿岸にも急速に広がっている。海洋汚染、水温上昇、過度の藻類の採取などが原因と推定される。昨年まで鬱陵島(ウルルンド)の2.6倍の広さにあたる1万9000ヘクタールが砂漠化し、今も年間1200ヘクタールずつ広がっている。

海の植樹祭は、海の森を育てて砂漠化を阻止しようという趣旨を持っている。白化現象が最初に観測された済州島で「2013年第1回海の植樹祭」の記念行事を開催したのも、そのような意志の表現だ。しかし、全国のはげ山を緑の森に変えようという4月5日の陸の植樹祭と比較すると、一般人たちには聞き慣れない記念日であることは否めない。

海洋水産部は、2009年から人工漁礁を投入して、海の森作りに乗り出しているが、年間985ヘクタールを復元しているだけだ。砂漠化よりも遅い速度だ。この作業に一般人が参加することができる適当な方法もなく、海の森作りの結果を目で確認することも難しい。陸の上に木を植えたときに、70~80%の効果を収めることができるとすると、海の森では30~40%の効果しか収められないというから、信頼性も低い。また、昨年には「セウォル号沈没事故」があったため海の植樹祭イベントを行えなった。

私たちは世界の5大干潟と言われる西海岸干潟の重要性を正しく評価できず、その貴重な資源の一部を干拓事業により壊してしまった。目に見える資源を保存することに劣らず、目に見えない海の中の生態系を守ることも重要だ。

海洋水産部が今年は、過去最大規模の3078ヘクタールの海の森作りに乗り出す計画だという。海の中に直接海藻を植えなくても、関心と激励を表すに値することだ。
  • 毎日経済 チェ・ギョンソン論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-06 17:14:52




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