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[FOCUS] 英語幼稚園では足りず、中国語幼稚園まで…誰のための幼稚園なのか


  • [FOCUS] 英語幼稚園では足りず、中国語幼稚園まで…誰のための幼稚園なのか
「お母さん、5歳の時がぴったりです。 6歳や7歳になると子供が適応しにくくなります」

ソウル江南にある乳幼児対象の英語塾(別名「英語幼稚園」)の関係者は、熱弁を振るいながら中国語の早期教育の重要性を説明した。保護者を偽装した記者を相手に、この関係者は、ひたすら英語(午前)、中国語(午後)のみの授業をするという点を強調した。この関係者は「ほとんどの英語幼稚園が一週間に一回しか中国語を教えませんが、私たちは違います」と繰り返し声を高めた。

子供たちに、より早く、より多くのことを教えようとする親の心理に便乗して中国語の早期学習「商術」が猛威を振るっている。乳幼児私教育の中心地である、いわゆる英語幼稚園が競争的に中国語の学習プログラムを開設し、私教育費の負担が天井知らずに急増いるのだ。高い授業料の負担にもかかわらず、教育効果があるのか​​についての疑問だけでなく、検証されていない中国人講師など、少なくない社会的副作用を内包しているというのが教育専門家たちの指摘だ。

13日、毎日経済新聞の取材の結果、ソウル・江南を中心に、英語幼稚園が中国語の早期教育の重要性を掲げ、いわゆる「半半幼稚園(中国語半分・英語半分)」で授業料を上げている。これらの幼稚園の費用は、一か月に170万~180万ウォン、年間2000万ウォンを超える。延世大学医学部(1210万ウォン)などのソウルの主要な医科大学の一年の授業料よりも二倍高いレベルだ。さらにいくつかの塾は、保護者を対象に3か月分の教育費を一度に出すように要求している。

今年3月にオープンしたソウルのある英語幼稚園は、中国人講師が5~7歳の児童に中国語を毎日45分ずつ教えていた。英語・中国語と英才教育マーケティングを組み合わせたここは、英才試験を代行する民間団体のテストを受けて「上位5%」に該当する英才性の検証をまず受けてくるように制限した。その後、独自に実施する英語のインタビューを通過してこそ登録することができる。

さらに、この塾は別途ホームページも持っていないため、インターネットで検索すると、存在しているのかさえ確認することができないようになっていた。教育熱が高いママたちの「口伝マーケティング」と「上位5%」の英才だけが選ばれるという希少性を狙ったものだ。このような閉鎖的運営にもかかわらず、この塾の関係者は「中国語の授業と関連して親が問い合わせをたくさんしてくる」とし、最近、乳幼児向けの中国語市場が熱いと耳打ちした。

これに対して、7歳の子供を一般の幼稚園に送っている保護者のイさん(39・仮名)は「もしかしたら私の子供が小学校に入ってから出遅れるのではないかという心配から、中国語の早期教育の問題について悩んでいる」とため息をついた。別の保護者のキムさん(39・仮名)は、「このような塾が何を教えていても構わないが、過度の教育費が他の一般的な幼稚園と塾の教育費の負担まで煽っているのではないかと心配だ」とし、「社会的剥奪感の問題をこえて、教育当局が徹底的に市場監督を行わなくてはいけない」と声を高めた。

専門家はこのような現象が起こる原因について、子供を育てる親たちの漠然とした不安と、これを利用する私教育市場の誇張された広報戦略のためだと言う。

イム・ミリョン首都圏生態幼児共同体(www.ecokid.org)理事長は「大学を卒業しても就職できずに結婚も難しい『サンポセデ(三放世代)』を量産する社会の中で、自分の子供にそのような未来を経験させたくないという親としての責任感が子供を育てることに対する巨大な恐怖を作り出す」とし、「親のこのような恐怖を食べて私教育産業はすくすくと育っている」と説明した。

さらに大きな問題は、教育効果だ。教育専門家は乳幼児の時期に第1外国語である英語を越えて第2外国語にあたる中国語まで教えた場合、副作用がより大きくなる可能性があると警告した。チ・ソンエ中央大幼児教育科教授(韓国幼児教育学会長)は、「家庭と幼稚園が互いに緊密に連携されなければならないが、人為的な環境で外国語を教える塾は子供たちに混乱を与えることもある」と述べた。続いて、「強制的に外国語を教えうとして、子供たちが思考力と想像力を育む機会を失う可能性がある。これこそ因小失大だ」と警告した。
  • 毎日経済 パク・ユンエ記者/写真=photopark.com | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-13 15:45:16




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