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[SNSの世界] 食べ物とSNSが出会うと…世界がざわざわ


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世界保健機関(WHO)が発がん物質の指定レポートを発刊したのは、去る26日のことだった。WHO傘下の国際がん研究所がベーコン、ハム、ソーセージなどの「加工肉」を1群の発がん物質に指定したというニュースが伝えられ、肉マニアを悲しみに陥れた。WHOは、加工肉をタバコ、アスベスト、酒が属する発がん物質1群に含めた。世界の保健専門家22人が800以上の研究を調査した結論だった。

韓国を含めて、世界の加工肉メーカーは直撃弾を受けた。彼らは、「消費者世論が悪化し、売上高が急減した」と吐露した。

食品と関連した話はSNSにより、ゴシップと同じくらい素早く広がって世論を主導する。これにより、韓国の大型マートの加工肉製品の売上高も一時的に先週と比較して10~20%落ち、関連食品株の株価も乱高下した。

ドイツやフランスなど加工肉を好んで食べる西欧諸国出身のユーザーのSNSはハムの発がん物質宣告に沸き立っている。

フランスのシャルリー・エブド(Charlie Hebdo)のテロ以降にSNS上に登場したスローガンだった「私はシャルリーだ」をパロディした「私はベーコンだ(#JeSuisBacon)」が人気だ。いわゆる加工肉救命運動が行われているのだ。

ユーザーは、「今日もハムとソーセージを楽しんだ」とし、食べている自分の姿と一緒にこのスローガンを投稿している。さらに美食の国フランスでは、自国の有名な作家フランソワーズ・サガンの「私は私を破壊する権利がある」という文句までハムを食べる自分の姿に適用したユーザーも少なからず目立つ。

ロイター通信によると、ツイッターで「#自由ベーコン(FreeBacon)」「#ベーコンゲドン(Bacongeddon、ベーコンとハルマゲドンの合成語)」「#私はベーコンだ(JeSuisBacon)」など、ベーコン関連のハッシュタグが2日連続でトップトレンドを持続している。

ロイターは、WHO報告書が事実かどうかにかかわらず、否定的な雰囲気が相次いでいると分析した。ロイターの分析によると、「#がん(cancer)」と「#ベーコン(bacon)」が入ったハッシュタグのうち負のツイートや肯定ツイートは26日に7対1、27日には6.5対1と、否定的意見が支配的だった。

西欧政府関係者も本人のフェイスブックアカウントを使用して、消費者の不安を鎮めるために努力している。

オーストリアのアンドレー・ルップレヒター農務長官は、自分のフェイスブックに片肉が並べられた皿の写真を投稿して、「レポートは寸劇」と書いて、爆発的なシェアを得た。彼は「私にとってオーストリアのソーセージは今でも、いつでも最高だ」と強調しながら、加工肉の皿を持って明るく笑う写真を上げた。

パルマハムの本場イタリアでは、政府と業界が口を揃えて「ハムパニック禁止」を訴えた。イタリアのベアトリス・ロレンツァン保健省長官は、「限られた証拠」だけを提示したこの研究結果を恐れる必要はないと消費者を安心させた。

ドイツのクリスチャン・シュミット食品農務長官も声明を出して、「時々食べるソーセージを恐れる必要はない」とし「何かを過剰摂取することが健康に良くないだけだ」と伝えた。長官の言葉は、「ソーセージの国らしいウィット」としてSNS上でもう一度伝播されている。

SNSマーケティングの専門家は、「時には科学的事実も世論に勝てないようだ」とし「食べることはSNS上で最もホットな話題なので、事実の伝達方法にも悩む必要があるということを示す部分」と分析した。彼は続いて「食べ物は文化の一部であるため、否定的な情報を受け取ったときに努めて冷遇する認知的不協和現象も起こる」とし「昨年、韓国で起きたハニーバターチップ波動やコンビニ弁当の質と関連した新造語も、食品に関連したSNSを介して増幅された傾向が大きい」と説明した。
  • 毎日経済 イ・ギョンジン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-10-30 16:02:57




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