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[筆洞情談] 多文化遠洋漁船


  • [筆洞情談] 多文化遠洋漁船
インド洋で操業中だったわが国の遠洋漁船「クァンヒョン803号」で、ベトナム船員2人が韓国人船長と機関長を殺害する船上殺人事件が20日に発生した。ベトナム人船員は酒を飲んだ後、このような事件を犯したが、犯罪を犯した理由についてはさらに調査が必要だという。

孤立した空間で長いあいだ生活しなければならない特性上、「船上反乱」の歴史はその根が深い。1789年に英国の軍艦バウンティ号で起きた反乱(バウンティ号の反乱)は、先住民との愛や英国政府の追跡などのドラマチックな要素が添えられて、3回も映画として制作された。第二次世界大戦を背景に、1954年に制作された映画 『ケイン号の叛乱』は、「米国海軍で船上反乱は一度もなかった」という字幕で始まる。しかし、実際には米国海軍でも1842年の「サマーズ号事件」と1849年の「ユーイング号事件」のような反乱事件があった。

韓国人が搭乗した遠洋漁船でも、たまに船上反乱や殺人事件が起きた。最悪のケースは1996年8月、南太平洋で操業していた遠洋漁船ぺスカマ号で発生した。中国籍の同胞船員6人が劣悪な環境と暴力に反発し、韓国人7人を含む船員11人を殺害した事件だ。その年の1月には、オホーツク海で操業していた第2五洋号のベトナム人船員7人が韓国人船員を殺害した事件があった。最近では昨年4月に、ギニアの南西海上で操業していた遠洋漁船でインドネシア船員が韓国人機関長を殺害したこともあった。

韓国の遠洋漁船の船上反乱や殺人事件には、外国人労働者がほとんど共通して登場する。わが国の船舶に外国人が就職するようになったのは1992年からだ。大変で劣悪な労働条件のために船員求人難が厳しくなると、政府は外国人労働者の乗船を許可し、2000年ごろからは外国人船員が増え始めた。

今回、殺人事件が発生した「クァンヒョン803号」も韓国人船員は船長・機関長・航海士の3人だけで、インドネシア人とベトナム人船員がそれぞれ8人と7人乗船していた。問題は外国人労働者が漁業に関する基礎知識なしに、すぐに船に乗っているという事実だ。協業しなければならないつらい作業に適応するのは難しいだけでなく、船長や甲板長と葛藤が生じがちな構造だ。船員の処遇改善や基本的な素養教育が急がれる。
  • 毎日経済 チェ・ギョンソン論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-06-25 09:05:33




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