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熊津グループの再挑戦…「コーウェイ」取り戻すか


熊津(ウンヂン)グループの尹錫金(ユン・ソックム)会長(写真)は、経営悪化で2013年に売却した生活家電メーカー「コーウェイ」の買収を推進する。

熊津グループの中核系列会社だった熊津コーウェイ(現コーウェイ)を取り戻して、本格的に再起に挑戦しようとする布石だ。しかし、一部ではユン会長の資金力を考えると、2兆ウォンから最大3兆ウォン台までで議論されるコーウェイを買収することは、事実上は不可能だろうという分析も出されて注目される。

買収・合併(M&A)業界によると19日、熊津グループはプライベート・エクイティのMBKパートナーズが保有するコーウェイ株26.8%を取得するために、サムスン証券と法務法人世宗(セヂョン)を諮問社に選定し、MBKに買収意向を打診している。

熊津グループの高位関係者は、「コンサルティング契約を行いコーウェイ買収を推進していることは事実だが、まだ買収の資金構造を組んだわけでもなく、買収のためのいくつかの案を検討している」と語った。この関係者はまた「MBKはコーウェイを買収したときに借入金に対する利息を配当金として充当しているが、熊津もこの方式を活用するかもしれない」とし、「熊津グループはげんざい無借金経営で、現金の流れは良い状態」だと説明した。

もし交渉が成立すれば、熊津は5年ぶりにコーウェイを取り戻すになる。しかしMBKは熊津の提案に否定的なことが伝えられた。まだ両側が実際に会って交渉を進めたこともないと把握されており、実際の買収につながるかどうかは疑問だ。

熊津はコーウェイ株を再び引き受けることのできる優先買収権を持っているが、これはコーウェイを買収するという第3者があってこそ行使が可能だ。また、コーウェイの株価が最近10万ウォン台を行きつ戻りつしている点を勘案すれば、MBKが保有した株の価値は2兆ウォン水準で、ユン会長がこのような買収資金に耐えられるのかも疑問だ。

コーウェイは海外事業の好調と環境家電製品の人気上昇のおかげで、今年の第3四半期の売上げと営業利益はそれぞれ5889億ウォンと1269億ウォンと、四半期史上で最大の実績を記録するなど成長を続けている。あるM&A業界の関係者は、「経営権プレミアムを勘案するとMBKの持分買収価格は最大3兆ウォン台に迫り、ユン会長が引き受けることは事実上不可能だろう」と語った。

ユン会長がコーウェイを買収することは現実的には容易ではなく、買収の代わりに国内で浄水器事業を新たに始めるだろうという観測も出ている。ユン会長は2013年、コーウェイを売却する際に今後5年間は国内浄水器事業に進出しないと約束したが、その約束が来年1月に切れる。このためにユン会長が来年1月に新規法人の設立などを通じ、国内で浄水器事業を本格的に始めるだろうとの見通しが優勢だった。実際、ユン会長は2015年に熊津エバースカイを設立し、2016年からトルコで浄水器レンタル事業を進めてきている。

また、熊津とMBKの仲が良くない点もディール成功の分かれ目だ。去る7月、ウンジンはMBKが5月中旬にコーウェイ株4.68%(378万株)をブロック・トレーディングで処分したことをめぐり、熊津の持つ優先買収権契約に違反したとして260億ウォン台の訴訟を提起した。熊津は、MBKが熊津に何らの通報もしないままにブロック・トレーディングで売却したのは関連する契約違反だと主張した。しかし先月23日に開かれた1審で、裁判所はMBKの手を上げた。熊津は控訴審提起を準備するなど、両者の間は感情的な争いにまで広がっている。

  • 熊津グループの再挑戦…「コーウェイ」取り戻すか
  • コーウェイの持分構造

  • 毎日経済_シン・スヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-12-25 01:53:51




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