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【韓国コラム】ゾンビフォルダ


パソコンの中にいくら削除しようとしても消えないフォルダが一つある。
フォルダをゴミ箱に捨てたのは、もう半年前のことだ。
でも、いつの間にか密かに復活して、なかなか消えないのだ。

このフォルダのためではないが、他のことで遠隔操作でパソコンを見てもらった時に不要なファイルはすべて削除してほしいとお願いしたことがあるが、パソコンの専門家が試したのにもかかわらず、びくともしない、とても粘り強いフォルダだ。

フォルダの名前は「魚」だ。

魚に関する文章を書くために、あちこちから資料を集めておいたフォルダだった。

よりによって魚なんて、少し不気味に感じる

魚は、初期のキリスト教徒たちが、同じ信仰を持つ人にお互いの存在を知らせる象徴だった。

魚のことを古代ギリシャ語(Hella語)で ΙΧΘΥΣ( イクトゥス )と言うが、イクトゥスは「イエス・キリストは神の息子であり、救援者」という意味も持っている。

新約聖書には、5つのパンと魚2匹で5千人を食べさせたという「五餅二魚の奇跡」も書かれている。 それもただ腹ごしらえをしただけでなく、お腹一杯に食べても12個も残っていたと書かれている。神学者の中には幼い子供が自分のお餅と魚を周りの人にあげるのを見て、群衆が恥ずかしさのあまり自分の懐に隠していた食べ物を取り出したためにそうなったと解釈する人もいるが、敬虔な信者たちはイエスの権能でそうなったと固く信じている。

とにかく、魚フォルダがその影響を受けているせいか、筆者のパソコンの中で永生しているのだ。
すでに、ある程度はゾンビになってしまった感じがする。

復活と永生を鉄石のように信じているからだろうか?
一部のプロテスタントの信者は、防疫当局の訴えや勧告を全く気にしていない。
集まって一緒に話し、賛美歌を歌うために新型コロナウイルス感染症が新たに広がる震源地となっている。

死にかけていた新型コロナウイルスは、彼らの恩寵で活気を取り戻している。
新型コロナウイルス感染症に意地悪な梅雨まで合流したにもかかわらず、教会内での礼拝はもちろん、ソウル都心で大規模集会を開く予定だ。集会の日程に支障をきたすのではないか心配で、新型コロナウイルス感染症の疑いのある70代の信者に、3日後に検査を受けるように薦めている。

聖書の記録を見ると、イエスはブルジョワジー(産業資本家)とは程遠い社会主義者として描かれている。それでも世俗的権威は認められたのに、一部の牧師たちの振る舞いを見ると自分が「神の息子」になったようだ。そのような牧師が率いる教会の信徒にはイエスは見当たらず、牧師の影だけが映っているようにも見える。

魚フォルダを無くすことに成功したら、新型コロナウイルス感染症は消えてくれるだろうか?
フォルダ名を変えて削除したら、また復活するのではないだろうか?

そうしようかと思ったことがあるが、また魚フォルダが現れると鳥肌が立ちそうなので、後回しにしている。
  • Lim, Chul
  • 入力 2020-08-15 00:00:00




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