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【韓国コラム】名節症候群は韓国病


この時期になると女性コミュニティで共感される話がある。
大体こんなタイトルの投稿だ。
「名節になると夫が憎い、憎たらしい…」

臨月の身で会社生活をしている嫁は「今年の秋夕(チュソク、旧盆)には1日早く帰ってきてほしい」と夫の実家からの電話を受けため息をついた。夫は今年だけ前もって行こうと催促するが、その話を聞いて、来年も再来年も事前に行って手伝うことになるのではと思い頭が痛くなる。

夫に夫の実家に行ったら、食べて遊んでばかりいないで簡単なことでも手伝ってくれと言ったら、「僕もそうしたいけど、そうしたら母にお前が嫌われるよ~!」と言い返す。その言葉が正しかったような気もする。

夫と子供達は名節にストレスを受けることがないだろうか。

男性もストレスを受けるのは同じだ。嫁に代表される女性に比べて程度が弱く、男性は普通のことは我慢しなければならないという韓国の情緒のため表に出ないだけだ。

駐車場同然になった高速道路で10時間以上運転するのはもちろん、両親や甥、親戚に与えるお小遣いもストレスを加重させる。最大のストレスは名節を過ごした後に聞く妻の小言だ。家に帰ってくる車の中から妻の小言を聞かなければならない。
夫の実家で経験した悲しいことを打ち明ける妻に一々説明しようとすると舅姑の肩を持つと言われ、黙ったままでいると「私の言ってることに同意してくれないの?」と怒られる。

ある程度成長した子供たちが受けるストレスも少なくない。特に上級学校への進学を控えた子どもなら「勉強はできるのか?」、「誰々の子どもは今回学年1位になったというのに…」こんな言葉でおいしい食べ物が口に入っているのか、鼻に入っているのか分からないくらいだ。特にきれいで勉強ができる、さらに礼儀正しい従弟がいたら…。この地から秋夕などはなくなることを願ってしまう。

だとしても妻、特に嫁たちの苦労とは比べ物にならない。

「君だけがストレスを感じてると思ってるのか!僕も大変なんだぞ」
もし、こんな素振りでもしたら夫は「他人の味方」(ナムピョン:夫→ナメピョン:他人の味方)になってしまう。

名節症候群は、大変なこと、やりたくないことで起こるわけではない。他人と比較され、それとなく敵味方に分けることで加重される。価値観が異なる親戚同士で会うと押し問答は避けられなくなる。

このようなことは韓国だけで起きている現象ではない。
結婚や葬式、クリスマス、サンクスギビングデーで離れて暮らしていた家族が会えば、西欧圏の国家でも生じる。サンクスギビングデーに突然登場した姑によって離婚訴訟が起こるエピソードは、米国でも珍しくない風景だ。

但し、名節になると民族大移動する風景は、韓国以外の中華圏国家くらいで見られるので「韓国病」と見なされることもある。名節症候群の根本的な原因として「民族大移動」を挙げたりもする。

「行きたくない」という気持ちをなだめ無理やり車に乗ったのに、小言を言われながら家事をすることを考えると鳥肌が立つのに、車はどうして進まないのか、あそこのあの車に乗った人は名節だと楽しいのかしきりに笑っているのに私の顔には笑顔など全然ない… 故郷に帰る途中、車の中で過ごす10数時間の間、頭から離れない想像が名節症候群のウイルスだ。

名節にある妻のストレスを解消したい夫なら、特別なイベントを準備してみるのはどうかと思う。古い廃家を訪ねて親戚に内緒で妻と過ごしたり、家のどこか、食材のどこかにサプライズプレゼントを用意したり…。

このようなイベントが名節ごとに続くなら故郷に帰る道が込み合っている高速道路でする妻の想像が変わることもあるだろう。運転する夫がにっこり笑うのを見て「彼は今度は何をしようと笑ってるのかしら?」と。
  • Lim, Chul
  • 入力 2020-10-03 00:00:00




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