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【韓国コラム】宇宙人と向かい合うなら地球の代表は誰?


なかなか眠れない夜、テレビをつけてチャンネルをあちこちに回し、キアヌ・リーブス(Keanu C. Reeves)が出る映画でリモコンが止まった。

キアヌ・リーブスは安楽な幻想をあきらめて、つらい実際の人生を選んだ人間たちの闘争を描いた『マトリックス』三部作で強烈な印象を残した俳優だ。最近では、ペットにより暗黒の世界が揺れ動く『ジョン・ウィック』 (John Wick)シリーズでその名声を維持している。

筆者が止めたチャンネルで放送中の映画は『地球が静止する日』だった。

見たことのある映画だったが別に楽しそうなチャンネルがないため、その映画を見ることにした。

宇宙から来たクラトゥ(キアヌ・リーブス)は「あなたは誰を代表するのか?」という質問に対し、様々な文明を代表すると紹介している。近い所で開かれる世界首脳会談で自分が来た目的を明らかにすると言うが、アメリカの国防長官(Kathy Bates)は「それはできない」ときっぱりと断る。

「あなたが人類を代表するのか?」
「アメリカ大統領の代理としてよ。なぜ、私たちの惑星に来たの?」
「あなたの惑星?」
「そう、私たちの惑星」
「いや、それは違う」

アメリカ大統領と副大統領はすでに地下バンカーに身を隠した状態であり、外界文明と対面した国防長官は、アメリカ大陸で先進文明が犯した残酷な行為を人類が受ける恐れがあるという考えで対決を選ぶ。それが今までの人類の行動様式だった。

クラトゥは軍事バンカーから脱出した後、地球外生物学者ヘレン・ベンソン(Jennifer Connelly)(以下へレン)に助けられ、地球人を監視してきた宇宙人に接した後、人類を滅殺するという決定を下す。

地球のあちこちから生命体を積んだ箱舟が宇宙に発ち、ヘレンはクラトゥに「私たちも変われる」と訴える。妥協する気持ちもあったし、すでに人類の指導者に対話する機会も与えたとし、もう遅いというクラトゥに対してヘレンは「彼らは指導者ではない。本当の指導者のところに連れて行ってあげる」と伝える。

ヘレンが指導者として紹介した人は、「生物的利他主義」という研究でノーベル賞を受賞した学者だ。

クラトゥと一緒に来た宇宙物体は容赦なく人類が作ったすべてのものを跡形もなく消滅させる。絶体絶命の瞬間、クラトゥはヘレンに説得される。血も混じっていない養子に対するヘレンの無条件の愛に説得されたと見るのが正しいだろう。

映画の話をした理由は本当に似たような事態が生じたら人類の指導者は誰なのか聞きたかったからだ。

世界最強の軍事力を持ち、あらゆる問題に事あるごとに干渉するアメリカの大統領。選挙で惨敗しても意地を張り、今後の政治資金に使おうと支持者たちから訴訟費用の目的でお金を巻き上げる浅はかな手段さえ厭わないトランプに人類の運命をかけた交渉を任せることができるだろうか?

宇宙文明ではなくても、新型コロナウイルスはすでに人類社会に壊滅的な被害を与えている。
しかし、自称、他称「人類の指導者」である強大国の指導者たちは謙虚な心で膝を突き合わせたことがない。人類に対する悩みをたった1秒でもしたことがあるのかと疑いたくなるほどだ。

人気がない所で修行する宗教人や私心なく苦しむ人々のために献身する奉仕者が人類を代表する指導者であるという考えを筆者だけが持っているわけではないだろう。

しかし、衆生たちは彼らを指導者と考えず、彼らの言葉に耳を貸す気もない。私心のない彼らも指導者として出るつもりは全くないだろう。

新型コロナウイルスよりも深刻な災難が人類に訪れるのであれば、人類を代表する任務を誰に任せなければならないのだろうか?

余談だが、映画『地球が静止する日』は派手なキャスティングにもかかわらず、ストーリーラインが粗悪だという理由で酷評を浴びヒットにも失敗した。
  • Lim, Chul
  • 入力 2020-12-05 00:00:00




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