【韓国コラム】穴の息子、孔子


大学時代必須教養科目だった倫理試験を受けて出てきた友達が顔を赤くした。

「三綱五倫の問題があっただろ。急に夫婦有別の「別」が思い出さなかったんだ、必死で考えても全然思い浮かばなかった…」
ため息をついている友達に聞いた。

「それでどうしたの?」
「空欄にしておこうと思ったけど、「別」の代わりに「愛」にして「夫婦有愛」と書いて出したよ。そしたら教室のドアを開けてから「夫婦有別」の字を思い出したんだ。あきれたよ」

勉強がかなりできた友達は「まるで霊に取り付かれたようだ」と首を横に振った。

ところが、しばらくして友人は倫理試験で満点を取った。
採点を引き受けた教授が「愛や善良な心は違うことを知ること」とし「夫婦有愛」も正解処理してくれたおかげだろう。
「別」と「愛」が、同じではないということを知らせてくれた恩師が恋しくなる。

三綱五倫とともに韓国人、いや東アジアの社会秩序に、そして個々人の人生に影響を与えた儒学の始祖。世界四大聖人の一人、孔子の名前は非常に興味深いものだ。

孔氏家の人という意味だが、別の解釈で「穴の子」、「穴から出た人」と解釈できる。宇宙人やロボットでない限り、皆が母親の股の間から出たはずなので世の中の人々が共有できる名前だ。四海同胞を超え「君と私はひとつ」であることが「孔」に込められた意味だ。

孔子思想の中心である「仁」を破字にしてみよう。
人+二。どういう意味だろうか? 2人?2人の心?

新型コロナウイルスが最初に発見された中国湖北省のある墓から1993年に大量出土した竹簡からその解答を見つけることができる。竹簡には仁が入る場所に身心という文字が刻まれていた。「身心」このように羅列した文字ではなく、上は身、下は身の一文字だ。

身は甲骨文字と金文で赤ちゃんを妊娠させた母親を表している。そのため、上下の身心は「おなかの中に赤ちゃんがいる母親の心」という意味になる。

こんな心を持った母の子宮の中にいて、股の間の穴から出てきたと、堂々と言う穴の子が孔子だ。 そんな母の心を持ってこそ「人が人らしくなる」というのが仁だ。

孔子は出生からして微賤な人物だ。娘だけ9人の武人が息子を得るために70歳近くに酔った16歳の巫女と野合して得た息子が孔子だ。いくら精力が強いと言ってもその年でどうして息子を?

当時も疑問符を投げる人がいただろう。そのため、生まれて3年後に父親が亡くなったら、喪家の狗 に転落してしまった。若い時、貧しく暮らし胸に抱いた志が仁が具現される社会だった。

仁が具現される社会? 簡単ではない課題だ。
儚い夢を見たといって周りから笑われるだけだ。

子路宿於石門, 晨門曰: "奚自?" 子路曰: "自孔氏." 曰: "是知其不可而爲之者與?" – 論語 憲問編
子路が石門に泊まった。朝の門番が言った。
「どこから来た?」
子路が言った。
「孔氏より来た。」
門番が言った。
「それは出来ない事を知りながら行う者か?」

2021年元旦、穴から出た偉大な人、孔子を思いながら愚かな夢を見る。
イエスの弟子、釈迦牟尼仏の弟子、孔子の弟子が、師匠の教えを自ら実践して移すような夢だ。
  • Lim, Chul
  • 入力 2021-01-01 00:00:00