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成果もなく研究するだけの韓国

Google式の革新的なプロジェクトが出てこない理由 

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Google Xプロジェクトを眺める国内の研究者たちは、ただうらやましがるだけだ。ソウルの私立大学の化学工学科で博士を取得し、研究員として働いているAさんは、「Googleがこのような研究に、長期にわたって多額の金を投資するというニュースは、研究者には満ち足りた気分を与える」と言う。実験室で研究する技術が、未来社会のパラダイムを変えることができるという期待からだ。 Aさんは、「しかし韓国ではこのような研究は不可能だ」とした。

韓国ではGoogle Xプロジェクトの話は高みの見物と同じだ。研究開発の慣行上、政府は未来を見ることができず、企業は短期研究にのみ集中しているからだ。

去る20日、未来創造科学部が発表した資料によると、2013年のわが国の総研究開発費用は59兆3009億ウォンで、国内総生産(GDP)比で4.1%と2年連続で、研究開発投資の比率で世界1位を記録した。昨年、韓国政府の研究機関・大学が12兆ウォン、企業が46兆ウォンを注ぎ込んだ。総投資規模も世界6位だ。しかし、いざ目に映える研究開発の成果物は見えない。

ソウル大学のイ・ウイル総長は、「政府が研究課題を選定すると、公共機関の研究者らはそれに見合う課題を申請する今のシステムでは問題がある」と語る。

政府が課題を選定し、その下に研究者を「離合集散」する式で研究開発の課題が進められることから、市場とかけ離れた研究ばかり行うという指摘だ。こうした状況なので、公共機関の研究成果は光を見ることがない。政府の出資研究所が、昨年の技術移転を通じてあげた収入は843億ウォンで、同期間に投入された研究費は2兆1465億ウォンだ。25の出資研究所が保有する特許は3万4888件だが、このうち利用されたものは1万1706件に過ぎない。

国内の多くの民間企業は短期成果に没頭することも問題点として挙げられる。サムスン電子も最近「現場強化」の名分で、これまで未来の研究を行っていた研究員らを、大挙現場に配置した。サムスンは昨年のR&Dに134億ドルを注ぎ込んだ。

韓国のビジネス・研究開発の慣行上、Googleのように「急進的・革新的な思考」が作動・拡散しない文化も障害として挙げられる。国や企業が短期的な目標に重点を置いていることから、組織内の自発的な技術革新の試みがなくなって、上意下達方式に依存するわけだ。リーダーから組織員まで、失敗に関する否定的な認識で革新的思考のパラダイムに入れないこともGoogle式の革新的なプロジェクトが出てこない理由として挙げられる
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者/イ・ギョンジン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-21 15:51:40




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