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[世智園] 株主総会、電子投票元年


  • [世智園] 株主総会、電子投票元年
ウォーレン・バフェットの「バークシャー・ハサウェイ」の株主総会は、一言でいって祭りだ。毎年3万人がごった返す。昨年には、バフェットが愛唱曲『マイウェイ』を歌って雰囲気を盛り上げ、2013年の株主総会では、歌手PSY(サイ)の『江南スタイル』に合わせてマルチュムを踊る祭りの場になったりした。

本格的な株主総会シーズンだ。お祭りの雰囲気は、他の国の話だ。隠れんぼうと小策が横行する。韓国の株主総会の文化は、1991年に「シャドーボーティング制度」の導入により、大きな変化を迎えた。他の国にはない制度だ。株主100人のうち40人が株主総会に出席して、賛成7、反対3で採決したとしよう。そうなると、残りの60人も賛成7、反対3で投票したと見なされる制度だ。過半数以上が出席しなければならない負担が消えた。その瞬間、少額株主は、面倒な存在になってしまった。株主総会への参加を奨励する贈り物も消えた。

上場企業の65%程度は、20日または27日、一斉に株主総会を開催する。少額株主の関心と参加を分散させる古典的な戦術だ。台湾では、このような憎らしい戦術を防ぐために、特定の日に株主総会を開く企業の数を先着順100社に制限した。例外はただ一つだ。電子投票を導入した企業は、任意の日付に株主総会を開いてもいい。

当初、韓国政府は、「シャドーボーティング制度」を今年から廃止しようとした。しかし、企業が反発したため、例外の基準を一つ作った。電子投票を導入すれば、2017年までシャドーボーティング制度を維持できるようにしてくれたのだ。このおかげで、上場企業の20%に相当する約360社が今年、電子投票を導入した。株主総会で電子投票をすることができるように、2009年に商法を改正し、2010年からは韓国預託決済院が電子投票システムも運用中だ。それでも国内上場企業は、これまで冷淡だった。昨年まで電子投票を実施した企業は、1社もなかった。少額株主を経営パートナーとして認めていないからだ。筆頭株主の意見を邪魔する程度の存在と思っているようだった。

今年は、株主総会電子投票の元年だと言うが、依然として期待以下だ。上場会社は「ごり押し」で、少額株主は無関心だ。先週、3社が電子投票をしたが、参加株主は10人ずつにもならない。「バークシャー・ハサウェイ」のように、少額株主を浮き立つようにしながらも、会社の広報までする「株主総会祭り」は、時期尚早のようだ。
  • 毎日経済_チェ・ギョンソン論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-03-02 18:52:04




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