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[I ♥ 建築] 誘惑のDMZ


  • [I ♥ 建築] 誘惑のDMZ
「人間が地球上から突然消えたらどうなるだろうか?」という興味深い主題のドキュメンタリーがあった。人間がいなくなれば、いったん地下鉄のトンネルから地下水をポンプでくみ出していたことが中断され、地下鉄のトンネルが水に沈む。そしてダムの吐水口には、イガイのような魚貝類が増殖しながら入り口を塞ぐ。マンハッタンのようなビルの森も100年の間に放置しておくと、崩壊が始まる。まあ、こんなストーリーだ。その映像を見ると、こんなに複雑だった地球が数百年が経過する前に、元の姿に回復されることを見ることができる。

このドキュメンタリーを見てインスピレーションを受けた筆者が、数年前に龍山公園の公募展に出品をした計画案がある。計画案のコンセプトは、現在の龍山公園の用地の周辺部にドーナツ形の幅が狭い円形公園を構成して、内側に堀を作る。そして、内部の米軍基地の用地は50年の間に人間を出入り禁止にする。そして自然が復元される様子を遠くから観察だけできるようにするという内容だ。人間中心の歴史の中で疲れた龍山公園の土地を自然に戻そうという内容だ。また、子孫に龍山公園の使用権限を譲歩しようという意味もある。

韓国のDMZは、上記で筆者が提案した公園が既に現実として適用された事例だ。おそらく原発事故で禁断の地となったチェルノブイリを除いては、全世界で唯一の人間が入れない地域だろう。すべての動物が入れないチェルノブイリとは異なり、DMZは政治的な理由で人間だけが排除される唯一の土地だ。だから、さらに特別なところだ。

少し前にドイツ在住の設置美術家が、DMZに竹で作った空中歩道を一緒に作ろうと建築家の坂茂氏に提案した。申し訳ありませんが、誰であろうとDMZには何もしない方が良いと思う。そうすることがDMZの価値を最も高める。平和公園であれ何であれ、人間の手が触れると、その日からDMZの特徴に傷を作るのだ。もし何かをするのであれば、DMZ周辺に接した土地にするべきことだ。誰にもDMZは、純白のキャンバスのような所だ。点一つだけを付けても、全世界の注目を集めることができる場所だ。けれど、そのような誘惑は乗り越えなければならない。
  • 毎日経済_弘益大学建築学科ユ・ヒョンジュン教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-30 17:25:51




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