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マッキンゼーの「韓国ベンチャー報告書」…資金回収までの時間は?

入り口は広く出口は狭く…青年ベンチャーのジレンマ 

  • マッキンゼーの「韓国ベンチャー報告書」…資金回収までの時間は?
  • < ベンチャー創業からの資金回収までの所要時間 >

「会社を売りもできず株式公開(IPO)はさらに難しいようだが、どうすればいい?」。バーチャルリアリティコンテンツ企業であるB社のキム代表は最近、ベンチャーキャピタルのパートナーを訪ねて訴えた。 1億ウォンのエンジェル投資を得て3Dコンテンツ制作技術を開発したキム代表は、有望だとされるバーチャルリアリティ(VR)に飛び込んで周囲の羨望をかった。政府(放送通信委員会)が主導するイベントで技術賞を受けたほど有望だったこの会社は、今では「ゾンビ企業」の扱いを受けている。初期に大企業に売られて、大規模な投資が行われたならば跳躍できたかもしれないが、4年が過ぎたいま、年間売上げは5000万ウォンに過ぎない状態だ。

世界的な創業ブームと政府の創造経済支援策により、韓国も創業が容易になって「創業国家」となっているが、買収・合併(M&A)やIPO(新規公開株)などを通じた出口がふさがれており、ベンチャー企業が活性化できないでいるという指摘が出てきた。出口がないために、創業後に再び再投資を行い企業が成長する、好循環構造が構築されていないという分析だ。

27日、毎日経済新聞が単独で入手したマッキンゼー(McKinsey & Company)の「ベンチャー産業好循環構造の構築」報告書によると、国内の新興企業(スタートアップ)は、買収・合併を通じて投資を回収するイグジット(exit)事例は0.4%に過ぎないことが分かった。また、韓国ではスタートアップからIPOに至るまでの期間は平均で12年かかるとされ、7年未満の米国シリコンバレーとの大きな差を見せた。

このマッキンゼーレポートは、グーグルが今年の3月にマッキンゼーに依頼して、韓国のベンチャー生態系を分析した内容だ。このレポートによると2014年11月現在、韓国のベンチャー企業は2万9561社で、2003年の7702社に比べて大幅な増加を見せたが、肝腎の資金を好循環させて別の創業を誘導する、イグジットとIPOは非常にまれなこと明らかになった。このことから、創業は多く行われているが持続的な成長を成しえず、途中で脱落するという悪循環が続いていることが分かった。初期資金投資(シード、エンジェル)を受けて創業したが、出口がふさがれて途中で滅んだり、ゾンビ企業に転落する企業が続出しているというわけだ。

イグジットが難しい理由として、被買収対象のスタートアップと買収した企業(国内外)間の視角差が大きいことや、国内ベンチャーキャピタルの経験が不足しているだけでなく、イグジットは「渡り鳥」だと考える否定的な認識などが挙げられた。

政府も対策作りに乗り出した。

崔炅煥(チェ・ギョンファン)経済副総理兼企画財政部長官は27日、青瓦台で開かれた「雇用創出のための中小企業人との対話」に参加し、7月初めまでにベンチャー企業の出口戦略の拡大などが含まれる、ベンチャーブーム拡散のための対策を発表すると明らかにした。ベンチャー対策としては「スタートアップM&A活性化」と「IPO支援策」などが含まれる予定だ。
  • 毎日経済_ソ・チャンドン記者/キム・ギチョル記者/ソン・ジェグォン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-05-28 04:01:03




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