トップ > コラム > オピニオン > [世智園] チャラ島と楊花大橋

[世智園] チャラ島と楊花大橋


  • [世智園] チャラ島と楊花大橋
去る2日、香港アジアワールドエキスポアリーナで開かれた「2015 MAMA(Asian Music Awards)」には、K-POPを代表するアーティストたちが総出動した。BIGBANGなど、受賞者たちのみんなは、K-POPの英雄として胸をときめかせた。

彼らの中に独特な履歴と芸術性で、目をひきつけた2人がいた。チャラ島国際ジャズフェスティバルの総監督であるイン・ジェジンと『楊花大橋』という曲で、10代の若者から中高年までの心の琴線に触れたZION.Tだ。

イン監督は、今年新設された専門分野授賞で公演企画者として賞を獲得した。彼は2004年から12年間、チャラ島国際ジャズフェスティバルを導いた主人公だ。大学時代、合奏部だったイン監督は、卒業後も「ジャズ」ひとつに没頭した。ジャズに狂った人だった。彼の心の中に「韓国を代表するジャズフェスティバルがあったらな」と念願があった。京畿道加平郡でチャラ島を見た瞬間、「ここだ」とインスピレーションを受けた。授賞式の時、彼はチャラ島を「雨がたくさん降ると沈む荒地」と表現した。

雨が降れば対策がないここで最初のイベントを開いたときに、本当に大量の雨が降ってきた。イン監督とフェスティバルを支援していた加平郡の住民・公務員たちは「台無しだ」と心配した。しかし、ミュージシャンたちは、雨に濡れながらも演奏を続けた。さらに音楽を楽しむことができた。感動した観客も一緒に交わり、楽しんだ。チャラ島国際ジャズフェスティバルは、困難の中でも年々人気を呼んで、累積観客が150万人を超えた。今年も20万人がジャズフェスティバルを楽しむために、チャラ島を訪れた。

厳しい環境の中、音楽に対する情熱で自分だけの世界を切り開いていくことは、Zion.Tも同じだ。最初はラッパーから始めたが、ラップだけでは胸から湧き出る感情を表現する道がなかった。ラップとボーカルを融合したZion.Tだけの音楽が誕生した背景だ。「私の家には毎日、私1人でいた/父はタクシードライバー/どこにいるの?と聞くと、いつも楊花大橋…」と呟くように始まる歌は「幸せになろう、苦しまず」というメロディに続き、切なさと軽快さを同時に表現する。タクシー運転手だった父とミュージシャンとして成功した自分、愛する家族をテーマに韓国的な感受性を誘発する『楊花大橋』は、K-POPの潜在力と可能性を示す。「2015 MAMA」公演で香港観客が喝采を送ったことが、その証拠だ。

イン監督とZion.T、二人の夢と情熱が、韓国のジャズとK-POPをグローバル化することに、大きな役割をすると期待する。
  • 毎日経済 チャン・パクウォン論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-12-07 17:20:56




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア