キャンバスに生活の苦しみを押し込んだ…「抽象本能」展




抽象画家のシン・ミンヂュ(49)は、シルクスクリーンの道具であるスキージーを持ってキャンバスに突進する。一呼吸で攪拌するように、画面にアクリル絵の具を押し出す。

さいきん会ったシン・ミンヂュ氏は「絵の中に自分が投影されている。この作業が私を説得するのか眺め続けながら、私らしいと感じたら作品として残す」と説明した。

彼女の作品はブラックとホワイト、茶色などがよどみなく混ざっている。めまぐるしく絡まった形態と色は何を表現したいのだろうか。タイトルが一様に「Uncertain Emptiness(不確実な空虚)」と付いている。作家は「私の中にある怒りと苦痛を表出した」とし、「抽象は人生をこめるところに非常に適切な方法だ」と説明した。

弘益大学絵画科を卒業した後に映像作業をしていた彼女は、なぜスキージを握ったのだろうか。それはまさに1996年に結婚したからだった。経済力が不足して選択した結婚だったことから来た衝撃が大きかった。

「自由だった魂が結婚という枠組みの中で抑圧を受けることになるでしょう。窮屈で無力で…結婚は私にとって残酷なものだったし、相対的に痛みでした。コーナーに私を押し付けた。既存の写真映像のように、時間のかかる作業はできず、さっと離れなければならなかった。学校のときに先生の、底を打ったときはブラック&ホワイトから始めなさいという言葉が浮かんで、基本に戻ったわけです。7~8年前から自分らしく乱暴で暴力的に、スキージをキャンバスに押し付けたのです」。

彼女は西洋美術史で第2次世界大戦後のアクションペインティングと抽象化に現れているように、残酷なことを経験すると、存在を深く考える抽象画が誕生すると言う。人生の経験が内面に蓄積され、強烈な筆づかいが吹き出てくる。

「感情の渦を排出する作業で安定感を求めて強固になった。困難に直面すると、自分自身が出るようになります。ブラック&ホワイトで作業するとき、私らしくて良かった。死ぬまでにこれ一つでも、ありのままに知ることができればと思う」。

彼女は絵を消してこまごまと飾らない。人生がそうであるように、失敗も作業プロセスだ。

「この世に生きて自分の思い通のものがないように、絵も同じです。上塗りが下の絵を否定しません。新しいイメージと混じって明らかになり、現れても良いでしょう。スキージで塗料を押しつけながら、他の色と混ざって流れることさえ受け入れています。偶然だった筆づかいが、そこに必ずあるべき必然になるわけでしょう。人生の後悔は失敗があった後にこそ、そこに自分があると思います。作品作業する時に塗料が跳ねることを容認できない作家が多いなかで、私はそんな変数が楽しい」。

全身のエネルギーをキャンバスに移し、彼女ざ150号の大作絵画など12点で個展「抽象本能」を29日まで、ソウルPKMギャラリーで開く。

  • 毎日経済_チョン・ヂヒョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-03-20 17:02:05