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コンビニ業界「パニック」…最低賃金で店主側と本部側で葛藤


  • コンビニ業界「パニック」…最低賃金で店主側と本部側で葛藤


政府の来年度の最低賃金引き上げ決定に触発された小商工人たちの不満は、加盟本部に移動している。最低賃金引き上げで自営業者の収入が減少する状況になるやいなや、コンビニ店主団体などが「加盟本部は(収入の減少幅に対して)追加支援してほしい」と要請した。

19日、全国便宜店加盟店協会と各社の便宜店(コンビニ)主協議会は、「2019年の最低賃金引き上げは業界全体に大きな影響を与えると予想される」とし、「最低賃金引き上げによる取引条件の変更を要請する」という公文書を、BGFリテールなどの加盟本部に発送した。これらは加盟事業取引の公正化に関する法律(加盟事業法)第14条の2を変更の理由としてあげた。

14条の2は、加盟店事業者は団体を構成して取引き条件の協議を求めることができると規定している。全国便宜店加盟店協会の関係者は、「加盟本部ごとに取引き条件が異なり、各社での協議が必要だ」とし、「ロイヤリティ(売上利益に対する手数料)よりは、本社支援策に対する部分を議論できると思う」と語った。公文書を受け取ったコンビニ加盟本社は、各店主と協議はいつもしてきたし、これからも誠心誠意進めるという意思を明らかにした。ただし最低賃金引き上げによる負担が加盟本社に過度に集中することは警戒した。

Aコンビニ業界の関係者は、「昨年は16.4%という前例のない最低賃金引き上げを控えて、急激な経営環境の変化に応じて本社が道義的次元で支援策を出した」とし、「営業利益率が大きく落ちた状況で、店舗にはこれ以上の支援余力はない」と述べた。また別のコンビニ業界関係者は、「取引き条件の変更要求は初めてのこと」とし、「共生支援策を打ち出してまだ1年が立たないのに、企業に全く利益を出すなということなのか」と話した。

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  • 加盟本部側の支援案



加盟本社では、今年の最低賃金が歴代最高レベルに上昇し、既に使うことのできる支援策をほぼすべて使ったと主張している。店主支援に年間数百億ウォンを投入している状況で、さらなる支援余力はないということだ。 CUは年間800億~900億ウォン規模の店主支援プログラムを実施している。新規店舗がすばやく定着できるように、ひと月の最低収入保障額を120万ウォンに増やした。従来は店舗の収益が「350万ウォン+賃借料」を下回るところに差額を支援したが、今年からは基準が「470万ウォン+賃借料」に変わった。

GS25の支援額も年間750億ウォン規模だ。年間最低収入保障額を5000万ウォンから9000万ウォンに80%引き上げて、年400億ウォンを各店主に直接支援する。これまでは50%のみを支援していた深夜営業電気代も、全額支援に変えた。店舗当たり年間電気代の支援金額は平均で400万ウォンに達する。

セブンイレブンも1000億ウォン規模の共生ファンドを造成し、各店主が融資を受ける際の利子を支援している。フード類商品の廃棄支援規模も、従来の20%から50%に拡大した。実績が振るわない店舗には回生プログラムを通じて、最大300万ウォンを支援する。

加盟店支援が拡大され、各企業の営業利益率は急減した。 3~4年前は4%台を維持していた営業利益率は、今年の第1四半期は0~2%台に墜落した。昨年の営業利益率4.5%を記録したCUは、今年の第1四半期は2.1%で、半分にも満たない実績を出した。 GS25の営業利益率は、昨年の3.3%から第1四半期は1.3%に低下した。セブンイレブンは昨年の1.1%から、今年の第1四半期は0.02%まで低下した。

コンビニ業界ではコンビニ店主の支援金額を増やすためには、けっきょく商品単価の引き上げしかはっきりした答えはないと口をそろえた。コンビニ市場が急激に成長していた時代には、加盟本部が新店舗を出しながら売上を伸ばしたが、これも難しくなったからだ。今年の上半期時点で店舗の純増は急減した。 Bコンビニは昨年上半期の純増店舗が942店で、今年の同じ期間は394店舗に減少した。商品単価が引き上げされると、その負担はそっくり消費者が抱え込むことになる。コンビニは製造業の人件費や原材料費が上がれば、一部の納品単価などを調整したが、最低賃金と連動して商品の価格を上げたことはない。

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  • 店主側と本部側の立場の違い



最低賃金引き上げでコンビニ店主たちの不満が高まっているが、共存支援に加えて実際に加盟本部が契約条件を変えることができる部分は多くない。

コンビニロイヤリティが過度だとの指摘に対して、コンビニ業界では実際の売上収益に連動して受けとるロイヤリティは知られているものより低いと主張する。加盟店主が最初にコンビニを開設する際に、本社に出す手数料は通常35%だが、5年後の契約更新時には売上げが低迷した店舗でもほとんどは手数料を下げて再契約するからだ。店主が経営難の主な理由としてあげる「他ブランド近接店舗の出店」も、既に談合と判明した。コンビニは過度の出店を防ぐために、1994年に「動線距離で80メートル以内は他ブランドの出店はやめよう」という自律規約を作成し、6年のあいだ運営した。しかし公正取引委員会ではこの自律規約が「自律競争を制限する談合」だと規定し、規約は廃棄された。商品供給価額にコンビニ本部が流通マージンを付加するという主張に対しても、加盟本社は「コンビニは売上収益に対するロイヤリティで店主と本社間で収入を分ける形」だとし、「商品供給価額には全くマージンを乗せていない」と反論しした。

これと関連し「余他の不公正契約」と最低賃金引き上げの問題を織り込んではならないという指摘もある。 19日、ソウル市矜川区の始興工具商店街で行われた討論会で、キム・デヂュン小商工人連合会労働環境人材分科委員長は、「最低賃金をはじめとする賃金問題は家賃を含めた商圏問題やカードの手数料を含んだ流通不公正の問題とは別のカテゴリ」だとし、「これらを混ぜて最低賃金対策だとすることは合わない」と主張した。

ハム・ヂンギュ自由韓国党政策委議長は、「政府が実態を把握せずに目標のみに焦点を置いて、急激に最低賃金を引き上げて混乱が大きくなっている」とし、「今後は継続的に問題を提起して代案も作っていく」と答えた。小商工人特別委委員長であるソン・イルヂョン自由韓国党議員は、「政府は最低賃金の問題をカード手数料や商店街賃貸借保護法の処理などで解こうとするが、本質を糊塗してはならない」と述べた。

  • 毎日経済_イ・ユヂン記者/ペク・サンギョン記者/イ・ヂナン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-07-19 17:52:52




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