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「堂々と競って承服…これが本当の公正と正義」キム・ヨンギョン選手


  • 「堂々と競って承服…これが本当の公正と正義」キム・ヨンギョン選手
  • キム・ヨンギョン選手が16日、世界知識フォーラムオリンピック記念セッションで講演している。 [ハン・ジュヨン記者]



◆ 世界知識フォーラム「東京から北京、そしてソウル」◆

「中学生の時はいつも補欠選手だったので必死に生きる道を探したし、競技に必要な選手になるために悩んだ。このような時節があって、いまの位置まで上がることができた。」

「10億人のうちの一人(A one in a billion)」「唯一無二(The one and only)」「バレーボール界のリオネル・メッシ」。

先月に行われた東京オリンピックで女子バレーボールチームの「4強闘魂」を導いた主将のキム・ヨンギョン選手(33)に、世界のバーレーボール人が送った賛辞だ。キム選手は世界最高の実力を遺憾なく自慢するだけではなく、危機的状況でチームを盛り上げて励ましてついに勝利する姿まで理想的リーダーの典型を見せた。

オリンピックの感動がまだ消えやらない16日、キム選手はソウル市の奨忠体育館で開催された世界知識フォーラムオリンピック記念セッション「東京から北京、そしてソウル」の演壇に上がった。同氏はインタビューや芸能番組への出演などの放送で震えることなく堂々と取り組む姿でも多くの国民の愛を受けてきた。しかし国家代表を引退して選手生活を振り返る演説では、緊張した様子が歴然だった。

震える声で始まった演説の主な内容は「バレーボールの女帝」として成し遂げたまぶしい成績ではなく、ベンチだけ温めていた中学生時代だった。キム選手は「高校1年生まではバレーボール選手としては背が大きくなかったし、万年補欠選手だった」とし、「与えられた条件でも、チームでこなせるポジションを見つけて確実にこなすことが目標だった」と回想した。

キム選手は補欠の身の上だった中学生時代、たいへんな努力を傾けた逸話で有名だ。この時の努力が今日、自分自身を「完成形選手」と呼ばれるようにしたとキム選手は強調した。同氏は「ベンチに座って機会があることをぼんやりと待つことはしなかった」とし、「競技を見ながらボールがあのように来るときは腕を内側にさらに伸ばさなけれならないわけだ、あんなに隙間ができたら攻撃を受けるとお手上げだなとか、絶えず分析してイメージトレーニングをした」と語った。キム選手は「おかげで誰よりも試合をよく読む目を持つようになった」とし、「小さな選手として守備力を育てたのも、いまの守備力を備えたストライカーになるための大きな力になった」とした。同氏は「もし幼い頃から背が高くてストライカとしてーのみ起用されたなら、守備力はお粗末な中途半端な選手になったかもしれないこと」と付け加えた。

キム選手は「最近の若者たちが最も望むことは公正と正義だと言われるが、目標に向かって最善を尽くして正々堂々と競争し、結果に承服するスポーツマンシップがまさに公正と正義」だとした。

ドミニカ共和国との組別予選で「やってみよう、やってみよう。後悔しない!」と叫びながらチームメイトを激励し、最終的に逆転したシーンはこの東京オリンピックのハイライトに数えられる。当時の状況について、同氏は「こんなに話題になるとは思わなかった。競技に集中したら出てきた言葉」だとし、「この頃の(難しい)状況に合う言葉なので、関心を持ってくださったようだ。当時は後悔したくないと思うだけだった」と回想した。

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  • 潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長(画面左)とトーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)委員長(画面右)が16日、ソウル市の奨忠体育館で開かれた世界知識フォーラムオリンピック記念セッション「東京から北京、そしてソウル」で、映像で対談を行っている。 [ハン・ジュヨン記者]



キム選手に続いて対談に乗り出した潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長とトーマス・バッハ国際オリンピック委員会(IOC)委員長も、スポーツを通じて世界が団結・結束できたと強調した。バッハ委員長はまず東京オリンピック当時、韓国女子バレーボール代表チームの活躍に対して「キム選手とチームメイトたちの情熱と闘志が感じられた。スポーツ的な要素を超えて、キム選手のカリスマが非常に印象深かった」とした。同氏は韓国アーチェリー代表チームに対しても、「韓国のアーチェリーチームのように伝統的に強気を見せる種目の選手たちは、むしろ強い重圧感で失敗するケースが多い。ところが韓国のアーチェリーの選手たちは高い集中力と優れた実力で、多くのメダルを獲得することができた」とした。

同氏は特にオリンピックの参加者らが積極的にワクチン接種に乗り出したことは、世界のワクチン接種率を高める一助になったと主張した。バッハ委員長は「最終的には参加者の85%以上がコロナ19ワクチンを接種した状態でオリンピックが行われ、これは世界に大きなメッセージになった」と話した。

パン・ギムン前国連総長はコロナ19のパンデミック危機の中で行われた東京オリンピックは、世界の結束と希望に大きな貢献をしたと評価した。同氏は「東京オリンピックはコロナ19が広まった後に、最初に世界がともにしたイベント」だとし、「こんな危機の中でもオリンピックが開催されて希望の信号を与えることができたし、開催のために多くの国が共に努力して世界の結束力が強化された」とした。
  • 毎日経済 | ムン・ジェヨン記者
  • 入力 2021-09-16 19:47:26




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