トップ > コラム > 人物 > [人物] 金星根監督と九人の小人の戦い

[人物] 金星根監督と九人の小人の戦い


  • [人物] 金星根監督と九人の小人の戦い
「キム・ソングンシンドローム」と言うだけのことはある。国内ポータルサイトでは最近、金星根(キム・ソングン)監督の関連ニュースがシーズン中のリュ・ヒョンジンより読まれるというから驚きだ。キム・ウンヨン監督が皮肉で発した「野神」という造語がもう誰も逆らうことができない聖域になった。

金星根ハンファ監督はすごい人だ。日本で生まれ、20歳の時に故国に最初の一歩を踏み入れた。耐え難い差別と冷遇の中でも屈せずに生き残って韓国最高の指導者になった。これは決して偶然ではない。彼が歩んできた人生はすさましいほどに苦しい忍苦の時間だった。他人が休むとき、彼は指がただれるほどにボールを投げ、他人が眠っているとき、彼は野球の技術書籍をめくった。「プロ選手に休息日がなぜ必要なのか」、「眠っている時間の分だけトレーニングすれば成功する」と叫ぶのには理由がある。

金星根監督は70代の高齢者はもちろん、「三放世代」と呼ばれる20代に至るまで、すべてに希望を与える。彼の一言は、全世代に響きを与える。各種講演で彼が伝えるメッセージは、私たちが直面している現実を鋭く見抜いている。だから共感が生まれる。金星根監督の書斎はいろいろな種類の本でいっぱいに埋まっている。韓国、米国、日本の野球の書籍はもちろんのこと、突拍子なくも見える社会科学の本も目に多く入る。

他の監督たちが成功と甘い果実を味わいながら安住するとき、金星根監督はさらに自分自身に鞭を打つ。「優勝した後の一時間だけ楽しみ、すぐに次のシーズンの準備に入る」という彼の言葉は誇張ではない。野球は彼にとってスポーツではない。高貴な精神であり魂であり、人生だ。

すでに専門家は、ハンファを今シーズンの優勝候補に挙げている。昨年まで3年連続最下位のチームを一気に優勝候補にあげたが、これには金星根監督の影響が絶対的だ。金星根監督がいなければ、いくら嵐のようなFA移籍をしたとしても、この程度の評価は受けなかっただろう。

4年連続統合優勝の柳仲逸(リュ・ジュンイル)サムスン監督も金星根監督の堂々とした登場に惨めになってしまった。創立3年でチームをポストシーズンに乗せたキム・ギョンムンNC監督、晩年弱体チームを韓国シリーズ準優勝に導いたネクセンのヨム・ギョンヨプ監督、大破直前のチームをベスト4に牽引したヤン・サンムンLG監督の全員が金星根監督の前では小さくなる。

金星根監督と最も年長者である金用煕(キム・ヨンヒ)SK監督の年齢差は13歳。最も若いキム・ギテ監督とは27年差だ。金星根監督を除いた残りの9人はすべてプロ野球選手出身だ。各自、確かな野球理論を持っており、自分たちが追求する野球への誇りもすごい。しかし、プロの世界の成否は結果が物語っている。金星根監督を勝たなければ、彼らが前面に出す野球も敗けるのだ。

野球界では、「若い監督たちの中で金星根監督ほどの情熱を持って努力する人を見つけることは難しい」と話す。金星根監督を勝つためには、いや、「金星根野球」に勝つためには、それ以上の武器を持ってなければならない。

柳仲逸監督の立場からは韓国シリーズで3回優勝しただけの金星根監督が英雄扱いを受けることは不当だと思うかもしれない。数人の監督は、勝利のためなら手段と方法を選ばず卑劣な方法も躊躇しない金星根野球を卑下することがある。裏で議論するのではなく実力で勝たなければならない。それが金星根を克服する道だ。金星根監督も自分を超える後輩が現れることを待っているかも知れない。
  • MKスポーツ キム・デホ編集局長 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-06 08:46:59




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア