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[I ♥ 建築] 「ジョージダッシュ」ジーンズ


  • [I ♥ 建築] 「ジョージダッシュ」ジーンズ
筆者の学生時代に、いわゆるブランド物が出回り始めた。それまで靴は市場で購入していたが、ある瞬間から「ナイキ」が登場し、専門店で一般的な靴より10倍程度も高く売られた。シャツは「ポロシャツ」が流行した。ロゴの中に馬の脚が3つだけ描かれたコピー商品も飛び交った。後ろポケットに馬の頭が描かれた「ジョーダッシュ(JORDACHE)」ジーンズも欠かせない。

デパートで売っている高価なジーンズだったが、偽物が出るほど流行した。ブランドという概念自体が無かった韓国人はナイキ、ポロ、ジョーダッシュという米国のブランドに熱狂した。人々は、既存の製品との品質の違いは分からない状態で、海外ブランドと呼ばれる理由だけで従来の製品よりも数倍の価格を喜んで支払った。

その後、1994年に衝撃的な経験をした。当時、アメリカに行くことになった筆者は、米国内で最も安価な製品を売っている所として有名な「ウォルマート」でジョーダッシュ・ジーンズを発見したのだ。聞いてみたら、ポロやナイキはある程度、米国内でも高級ブランドに属したが、ジョーダッシュは全く高級ブランドではなかった。

幼い頃、あれほど買いたかったジョーダッシュは、よく調べてみたら「聞いたことも見たこともない製品」だったのだから、驚かないわけがなかった。海外市場について無知だった時代、無条件に海外ブランドだからと国内の良質の製品よりも高く売られていた時代に、韓国人は「ホゲン(虎口)」だった。

かなり開放された最近にも、建築界では、このようなことが起こる。ナイキやポロシャツのように、それなりに良い海外の建築家が韓国内で建築物を設計する場合もある。 「レンゾ・ピアノ」や「アルヴァロ・シザ」がそうだ。しかし、同時にジョーダッシュのような建築家やデザイナーが飛び交った。

しばらく前には、有名学校を背負って立って、五十歩百歩の建築家らがたいしたことのないレベルのデザインで韓国のアパートを設計したからと、一手の差し方を教えようとしたり、椅子をデザインした人が商店街をデザインしたからと騒ぐ広告を聞くと失笑を超えて、憤慨まで覚える。彼らは今でも韓国を虎口として見ているのではないかという考えからだ。

私たちはもはやジョーダッシュ・ジーンズに騙される人々ではない。韓国にも国際的競争力を備えた建築家が多い。どうかジョーダッシュのようなデザイナーたちが韓国国民を蹂躙することがないことを願う。
  • 毎日経済_弘益大学建築学科ユ・ヒョンジュン教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-23 17:10:57




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