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[週末ユーモア] シンデレラがあふれる社会


韓国では昔から継母に対する意識があまり良くありませんでした。継子のいる新しい母は知人や近所の人の前で良い姿を見せようと努力したりもしました。

前妻の子どもを虐めるのではないかと監視する視線が感じられるからです。継子を虐待する継母は、昔から民話にもよく登場します。

代表的な民話が「コンジとパッチ」です。内容を大まかにご紹介しましょう。

「コンジは早くに母親を亡くして継母の元で育てられたが、継母にはパッチという娘がいた。継母は家の中のきつい家事をコンジに全部任せる。ある日、パッチ母娘は宴会に出かける。出がけに、ヒエを搗いて、底が抜けている甕(かめ)に水を満たしなさいと命令する。コンジが甕の前で泣いていると、ヒキガエルが現れて壊れた甕の底を背中で塞いで水をためることができるようにしてくれた。また、鳥が飛んできてヒエをつついて搗いてくれ、牛が服とコッシン(刺繍の入った靴)を持ってきてくれ、コンジは宴会に行く準備をすることができた。

宴会に行く途中、コッシンの片方を無くしてしまった。王子がそれを拾って、コッシンの持ち主であるコンジを見つけて妻に迎えることになる。しかし、婚礼前にパッチと継母がコンジを殺して池に遺体を捨てた後、パッチがコンジになりすまして結婚をする。王子がパッチを見て顔が違うと言うと、豆を乾す莚(むしろ)の上で転んでしまったからだと嘘をついた」

韓国版シンデレラストーリーです。コンジとパッチの話はもう少し続きます。コンジの魂が現れて自分が不当に死んだ理由を説明し、継母とパッチは罰を受けます。コンジは転生して王子と幸せに暮らすという結末で終わります。しかし、現実では継母にいじめられる子どもにハッピーエンドはありません。

もちろん、継母だからと全員が子どもたちを虐待することはないでしょう。生みの母よりも子どもを愛し、心血を注ぐ継母も多いでしょう。児童虐待の加害者の多くは、生みの親であり、継母が占める割合は4%に過ぎません。

実際には実母の数より継母の数がはるかに少ないでしょうから、単に%で計算するべきものではありません。さらに、継母の虐待は心理的な苦痛を与えるものであれ、物理的に苦しめるものであれ、程度がひどいうえ、虐待を受ける子どもも「実の母ではないから私を虐待するんだな」という考えから希望を失ってしまいます。

継母と仲が悪くなることを心配した父親が継母側につく場合には、被虐待児は頼る人がいなくなります。専門家の分析では、妻と死別した夫より、妻が家出をしてひとりで子どもの世話をすることになった父親が子どもを虐待する傾向が強いそうです。娘が母親に似ている場合には家出した妻の顔が子どもに投影されるため、より虐げることになるのでしょう。

子どもを愛する母親でなければ、家を飛び出してはいけません。家を出るのであれば、子どもを連れて行くべきです。書いてみたら、あまりにも悲観的な話になりましたね。ここで、妻の家出について以前、韓国で流行った笑い話を一つ紹介します。

酒の席で流行していた略字を作るゲームです。カッコ内は、意味です。
- 妻が家出した。これを略すと、マンマミーア。(マンマ、ミアデッタ、母親が迷子になった)
- 家出した妻が稼いだお金だと、1億​​ウォンを持ってきた。四文字に略すと、波乱万丈(ハングル読み=パランマンジャン)。(パラン 1マンウォン マンジャン ポロワッタ、青い1万ウォンを1万枚稼いできた)
- ところが、妻が家出してしている間に付き合っていた男が家に訪ねてきて一緒に住んでいる。これを四文字に略すと?豆腐一丁(ハングル読み=トゥブハンモ)(トゥミョンエ ブルル キョヌリン ハンミョンエ モ、2人の夫を従えた1人の母)
- その後、不治の病にかかったのだが、妻の新しい男が直してくれた。これを四字にすると、塞翁之馬。

妻が家出したからと子どもを虐待してしまっては、塞翁之馬は夢にも見ることができません。別れた妻のせいにばかりして、娘をシンデレラにしてしまっては困ります。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2016-02-28 08:00:00




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